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R.U.K.A.R.I.R.I | 魔法少女リリカルなのはVAV 第一話「決意の兆し」④
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2009.11.09
2009/11/09 再修正済み

魔法少女リリカルなのはVAV
~魔法の誘い~

それは、一人の少女の母親を探す物語。
力がないのがいやだった。
力を得た少女が最初に立ちはだかったのは
母親の失踪
少女は、母親を探すことを決意する。

第一話 ④

× × ×

学園の午後は、ヴィヴィオのいる初等部では主に魔法の勉強であり、授業の内容は魔法の飛ばし方、つまり魔法弾についての授業であった。
攻撃魔法のように聞こえるがこれを一応ここでは基本として応用していく形で学ぶのである。
魔力を持たない生徒は、魔力のある人とは別の違う授業をうけていた。
当然ながら魔法に関係する学問では一緒に勉強したりしてるが、やはり実技となると別々の授業をする場合があった。
それは、わかりきっていることだが魔力を持たない子が魔法の実技を行っても能力はいかせない。とはいっても、能力が開花する可能性がないわけではないのであくまでも形式的に分かれているだけで、本人の申し出、親の申し出、教師の判断でわりと頻繁に代わっているといわれている。
普通の体育の授業と違い、得意不得意という分野でない分ある程度ない人からみれば、天才のような錯覚なのかもしれない。
「うーん、だめだなぁ」
そういうヴィヴィオが飛ばす魔法の弾は、どれも風船にぶつかることはなく後ろにある壁へと何度もぶつかっていた。隣にいる友達たちは何発かに一回は風船を割ることができているがヴィヴィオは一回もかすりさえしていなかった。それは今日だけではなく、ほぼ毎日といっても過言ではない。
魔法の授業自体は、比較的簡単のもので、魔力を圧縮したものとはいっても実際に圧縮できるのはそれなりの経験がある人ではないとできない。
そのため、内容としては、ただ魔力を対象に向かって放ついわば、射的のようなことをしている。これにより、魔力全体のコントロール・意識がしやすくなるカリキュラムだ。
初等部ということもあって、ふわふわと浮いている風船に当てる、そして比較的距離も近いものだ。
「うーん……なんでだろうなぁ」
 ヴィヴィオは、魔法が当たった壁をさする。ほのかにまだ暖かさをヴィヴィオは感じた。
「ヴィヴィオちゃんの魔力光きれいだよね。私のはライトグリーンなんだ」
 そう話しかけるヴィヴィオの友達の少女の指先では、ライトグリーンの魔力光が言葉に従うかのように輝いていた。
「ありがとう、でも私はライトグリーン好きだよ」
ヴィヴィオの魔力光は、虹色の魔力光「カイゼル・ファルベ(Kaiser Farbe)」と呼ばれていて、誰が見てもきれいと感じる色である。
 それから、数分経過すると今度はペアになって風船をお互いの頭に魔法で装着してそれを狙っていくというものになった。
 風船を放さないようにするというのと、動く標的にあてるという意識力の強化という意味合いらしい。
「はぁ!」
 ヴィヴィオが何回にもわたりフェイトをかけながら魔法を見分ける。
「ヴィヴィオちゃん、相変わらず早いね。私ぜんぜんみえないや」
 友達が出す魔法弾は1つもヴィヴィオへと届くことはなかった。それはヴィヴィオもまったく同じである。友達はきちんとヴィヴィオを目掛けて攻撃しているのだが、ヴィヴィオの早すぎる動きに追いつけていけてなかった。ヴィヴィオは逆に相手の動きを予想して放つのだがどこか見当違いの場所に飛んでいったり、途中で破裂したりとてんでだめであった。
「うん?そんなことないよ」
 あたりでは、子供たちのはしゃぐ声と風船が割れる音がいたるところで聞こえた。
「でも、私たちの中では一番はやいんじゃないかな、むしろ先生がおいつかないくらいだものね」
「たぁ!」
 ヴィヴィオは聖王の資質というスキルを一度体験したためなのか、ある程度の回避行動をほぼ完璧にこなしている。そして、エースオブエースと呼ばれたあの人との経験がものをいってるのか聖王の記憶か、その素質なのかわからない。
「でも、魔法弾とかは全然だめだよ」
 その言葉どおり魔法弾はあろうことか他の生徒にぶつかっていた。初等部というわけで、魔法弾危険性はあまりないとされるため、多少回りに飛んでいっても、先生は手を出さなかった。
 危険性として魔力の暴走、予想以上の魔力が込められた魔法弾も考えられるが、そのあたりはきっちりと補助できるように授業中は先生の数が普段より多い。そのため、危険性があるものは先生によってかき消される場合もある。中等部のように学年があがると先生の数は少なくなるがその分、先生のレベルも変わるみたいである。
 そもそも、このフィールド全体に魔法に制限をかける魔法がかかっている。かつて、スカリエッティが使用していたものに近いものだ。これは、学園を守るという意味合いも中には含まれている。学園全体がこれを組み込んだ特殊の魔法障壁で全体を囲んでおり、魔法、科学的攻撃から守っている。
「1つでもできてればいいじゃない。私なんかどれも最下位近くだよ……」
 うつむく友達にヴィヴィオは自分のことしか考えていなかったと少し後悔した。
「ううん、そうだね。ごめん」
 ヴィヴィオは友達の両肩に手をのせる。
「別にいいよ、うーん。うふふ、ヴィヴィオちゃんはやっぱり笑顔が一番だから……あ、ほら先生が呼んでいるよ」
「じゃぁ、いこう♪」
 ヴィヴィオは友達と手をつなぐと、先生のほうへと一緒に走り出す。
 そうして、魔法の勉強は終わりを告げた。

× × ×

ヴィヴィオは、授業が終わると学園の前で待っていてくれたアイナと手をつなぐ。
「アイナさん、ごめんね。かっこ悪いところばっかり」
 ヴィヴィオは、アイナの顔色を伺いながらそういう。
「大丈夫、誰だってうまくいかないものよ」
 アイナはそういって、いつものようにヴィヴィオに微笑みかけた。
「でも、なのはママは最初からうまくいってるって聞いたよ」
 最初多少なのはも苦戦もしたこともあるという実績が残っているのだが、ジュエルシード事件や戦闘経験をなんなくこなしたとフェイトからヴィヴィオは聞いたことがあった。
「あの人は、ほら特別だったのよ。才能っていうのかしらね」
 アイナの笑い方が一瞬とまどいをみせた。
「じゃぁ、私は才能ないのかな……」
 ヴィヴィオがアイナの手を強く握った。
「うーん、それは違うと私は思うよ。人はそれぞれ得意不得意なものがあるし、それに練習すれば何事もうまくなるよ。私なんかはこうしたお世話しかすることができないし、ヴィヴィオはまだまだこれからだよ。何事も挑戦していく気持ちが重要だと思う。なのはさんもそうやって挑戦していって、エースオブエースという今の現状になったんだよ」
「うん、練習がんばる」
(強くならなきゃ、なのはママみたく強い魔導師に)
 ヴィヴィオはアイナの見えない手をつないでいない手を決意とともに強く握り締めた。

× × ×

(昨日よりはうまくいったかな?)
 ヴィヴィオは、若干顔をにやけさせながら、そう自分に言い聞かせながら先生の元へと走っていた。結果は、昨日とさほど変わらないのだが、前日と比べて終わったときの気持ちはアイナにいわれたからなのか、気持ちが高ぶっていた。
「ありがとうございました!」
その日も無事に学園での授業は終わった。
なんとなくこの日は家にまっすぐに帰るのはいやだなと感じたヴィヴィオは首都まで歩いて帰ることにした。と考えたといっていても実際に全部歩いて帰った場合、何時間も歩いてしまい日が暮れてしまうために、1つ手前の停車駅で途中下車した。
1つの駅とはいっても歩いて10分以上かかるのではやくなることはない。
「うーん」
 ヴィヴィオは、何か新しい発見があるかもしれないと考え、普段と違い暗く人がいない道を歩き始めていた。その暗さは空が既に太陽が沈みかかっていたからかもしれない。それとも、この場所だけ何か空間を切り干渉させないようにさせたのかもしれない。
 しかし、それとは違って何か別の冷たいようなそんな気配が周りを包み込んでいた。ヴィヴィオはその気配に気づくことはなく、方向的に帰れように歩くだけであった。
「はぁ……なかなかうまくいかないな」
 ある程度の格闘戦や回避行動だけはうまくいくのだが誘導弾等の細かい魔法操作が未だにうまくいかなかった。格闘戦といっても少年たちにまじって喧嘩をとめたり、いたずらしたりで叩き合うぐらいである。それでもヴィヴィオには皆敵わなかった。
(あのときはうまくできたのに……)
 ヴィヴィオが思い出すのは、ゆりかごでのなのはとの戦い。決していい思い出ではないけど戦い方を思い出すには過去の情報を思い出すことが一番こつを掴みやすい。
(しかし、なぜなのだろう。この高揚感は……)
 ヴィヴィオの心は戦闘への好奇心、高まる感情を日々抑えることがあまりできなくなっていた。それは、戦いを求めているのか後遺症なのか本人にさえわからなかった。
 それよりもヴィヴィオは、進行具合が真っ赤な魔法の実技が心配であった。
「ははは、なんだろう……」
「おい」
 ふいにヴィヴィオの肩がたたかれた。
「……お前、高町なのは一等空位の娘……高町ヴィヴィオだな?」
後ろからその声が聞こえるまでその存在に気づかなかった。
それほどヴィヴィオは、深い考え事をしていた。普段のヴィヴィオであれば、多少なりとも人の気配ぐらいは感じることはできる。だが、今回はそれすら感じるほど余裕はなかった。
「……」
ヴィヴィオは口を閉じる。声をかけてきた主にこたえる気も声える口もない。その理由は考えるまでもないのだがフレイヤのときと違い、裏表関係なく何かただ単に邪心を感じたからだ。
「……誰ですか?」
ヴィヴィオは、こういう事態用になのはから渡されたアイテムをポケットから取り出そうと右手をポケットにいれた。
「っ!?」
そのとき、その腕はふいに存在を感知していた場所から掴まれた。その衝撃でつかもうとしていたものが、外へと飛び出す。
ヴィヴィオは、それをつかもうとするが男にさえぎられてしまう。
「おっと、そうはさせないぜ」
「まぁ、当然そういう対策をねるのはこちらも同じと……」
どこにいたのかもう一人のショートカットの男に緊急用の呼び出し魔法アイテムを奪われた。服の模様がつかんでいた腕の服の模様と一致するため、この男がヴィヴィオの腕をつかんだのだろう。おそらく、腕の一部だけを空間をこえる何らかの魔法をつかいヴィヴィオの腕をつかんだのだろう。
「こういうのは単純でな、こうすれば砕けてしまうものさ。使えるものも使わなければ、ただのゴミと同等のものさ」
そして、あろうことかそのアイテムは魔法によって木っ端微塵に砕かれてしまった。その砕けたものと同等にヴィヴィオの心がゆらいだ。
「は、離して!!こ、この!」
ヴィヴィオはじたばたするが、大の男に掴まれた腕はとれることはなかった。魔法をこなせている人ならば何か対処法があるかもしれないが現時点のヴィヴィオには壊されてしまった緊急用の呼び出しアイテム以外に頼れるものはなかった。じたばたしたせいかさらに動きを封じるために、ヴィヴィオの身体中に魔法自体を封じる意味もあるバインドを施されてしまう。
「うぅ……」
 二人の男の突然のあまりに意味不明な行動によって、ヴィヴィオのオッドアイの両目はこれから起こることに恐怖を感じて涙が流れ始めていた。
「やっちゃっても問題ねーよな?」
 髪が長い男がそういう。
「やれやれ、これだから若い者は……幼子の対処の仕方もわからんのか」 
 髪の長い男の後ろからもう一人男が現れる。その男は他の二人に比べどこか歳をとっているように見えた。それはどこかで見たかのようなそんな印象があるのだが、ヴィヴィオは恐怖心からかその記憶を頭から引き出すことができなかった。
「まったく、相変わらずお前の性癖はわからんよ」
 後から現れた男は、そう薄気味悪い笑顔で答えた。
「はぁ……」
 あきられたように残りの男がそう答えた。
「まぁ、そういうなよ。なぁなぁ?いいだろう?」
 髪の長い男は、興奮しながらそういう。
「頼まれたのは目標の確保だし、別に死んでなければ問題ないと思うが……あんまやりすぎるなよ?お前がやると見てるこっちがやられてる相手を助けたくなるからな」
 後から現れた男は、やれやれと頭をかきながら何か資料のようなものを見始める。
「わかってるって。でもまぁ、お前もやってみるとわかるぜ。すごく普通のやり方よりいいんだ」
 その男はいやらしい高笑いをした。
「そんなものかね。まぁ、折角だから余興でも行うか……バインディングメルト」
後から現れた男が唱えると、ヴィヴィオの身体をバインドしている付近から徐々に服が溶け始めていった。
「や、やめて!!」
ヴィヴィオがそう叫ぶが服が止まることはなかった。逆にスピードが上がっていくぐらいである。
「すまんな、俺の魔法はとまることはないんだ。むしろ加速させることぐらいならできるぞ。おい、俺はあそこでタバコ吸ってるぞ。終わったらいってくれ、こちらとら連絡をとらないといけないのでな」
男はダンボールが積んである場所を指差す。
「あぁ、わかった。まぁそこで拝見あれ、はははしばらくだからなもしかしたら壊れるまでやってしまうかもしれない」
 長い髪の男は、服を脱ぎ始めてその中から何かものをとりだした。
「おいおい、となりに俺がいるんだからそれはとめるぞ」
ショートカットの男が長い髪の男の肩に手をおく。
「あぁ、そのときはふっ飛ばしてもいいからとめてくれ。俺の性癖はちょっと特殊でな、乱暴しないととまらないからな。」
ショートカットの男は「あぁ」というと、ヴィヴィオの身体を長い髪の男がやりやすいように身体を動かした。二人の動きは何度も同じことを繰り返してきたかのように順序がよかった。
 ショートカットの男は、後から現れた男と同じように少し距離をとった。
「いや、いや!!さ、さわらないで!」
 ヴィヴィオの前には、服をきていなく手に何か見慣れないものをもった長い髪の男がそこには立っていた。
「徐々に、よくなっておかしくなるから大丈夫さ」
 そういう男がヴィヴィオの身体に触れようと手をのばしたそのときであった。
「……非常につまらないことをしているね」
その行動はその声がかかりとめられてしまった。
「あん!?」
長い髪の男が振り向く先には、マントを羽織った目をつぶった少年が立っていた。
ただ、単に少年がたっていたなら男たちには“何も問題はなかった”、ただ一部を除いては……。それはその少年がヴィヴィオに触れようとしていた男の腕をもってこちらを見ていたからだ。
「お、俺の腕!?貴様!!!!!!!!」
 ヴィヴィオに触れようとしていた男の腕は肩からきれいになくなっていた。不思議なことにそこからはじめから腕などなかったかのように、血は流れていなかった。
「う、うでがあああああああ」
それを見ていたタバコを吸っていた一人は一目散にその場から走り去ってしまう。
「ち、まぁあいつは仕事の依頼をもってくるだけだしな。ふふふ、不思議と腕がなくても痛くねぇ」
 残ったほうの手をくるくると回す。
「いたいっ!」
 長い髪の男はヴィヴィオのお腹を蹴り飛ばすと少年へと向きなおす。
「くそ、てめぇ生きて帰れるなんて思うなよ!おい、お前後ろに回れ。俺があいつをバインドする」
 長い髪の男の両腕に細長い魔法の塊が形成される。
「あぁ」
 ショートカットの男が小型のナイフを手にもつ。
「……ライトニング・イン」
 そう男が唱えると、ナイフのまわりからバチバチと青い電気が鋭い音を放っていた。
「……やれやれ、野蛮なことはあまり好きじゃないんだけど」
 その様子を見ていた少年は、ヴィヴィオのいるところを確認すると両目をかいた。
「うん、まぁしょうがないかな……」
少年が眼をあけたとき、その眼の中にあるはずのない歯車が回転した。
「はん、こけおどしがああああああああああああ」
 長い髪をもつ男に吹き飛ばされていたヴィヴィオはその場から移動して、瓦礫の後ろに身を隠しながらそれを見ているが、少年へと迫った攻撃魔法を見て、目を閉じてしまう。
「これで、終わり」
 いつの間にか、男二人は少年によって拘束されていた。その時間は、ヴィヴィオが目を閉じた一瞬でだけである。少年は片目ずつ目を閉じるとヴィヴィオへと近づく。
「……大丈夫、人を呼んでおいたから時期に人が来る」
両目を完全につぶった少年は自分が着ていた白いマントをヴィヴィオに着せると声をかけるまもなくその場から突如として消えた。
「あっ!?お礼……言いたかったな」
少年の言葉どおり、2分もかからずしてシャッハ率いる聖王協会のメンバーがその場にやってきてヴィヴィオを保護したのである。

× × ×

「はぁはぁ……くそなんだ!?あいつ化け物か……ち、通りで値段が高いわけだよ。だが、これで儀は果たしたからな。金はいただくことはできるはずだ、いや待てよ、人が来たってことは俺が捕らえられるかもしれねーつうことか」
 あの場から逃げた男の前には、都合よく紫色ツインテールの髪をもつ少女が今にも沈みそうな太陽を眺めていた。
「けけけ、いいところに女がいたもんだな。あれを人質にすればなんとかなるか」
 男はゆっくりと白い魔法陣を展開しながらその少女に近づく。
「おい、お前服を脱いで俺の壁になれ」
 白い魔方陣から白い筒を取り出した男がそういう。
「私?」
 声に気がついたのか、少女が男にそういう。
「そうだ、お前だ!他に誰がいるんだ」
 その言葉を聴いて、少女はあたりを見渡す。
「……確かにそうみたいね」
 そもそも壁になるのになぜ服を脱がなきゃいけないのだろうと少女は感じた。でも、そんなこと今の少女に関係ないように太陽をみるのをやめなかった。
「おい、お前聞いてるのか!」
ぐいっと少女の肩を引っ張る男。
「はい?うるさいんですけど?」
振り返った少女が男を睨み付けると少女は男よりも大きくなっていた。
「な、なんだこれ!?あ、足が地面に!?」
少女がでかくなったわけではなく、逆に男は小さくなっていたのであった。
「こ、この影か!?ここからでれば!!」
男が言うとおり、少女の影へと足が徐々に吸い込まれているのだ。
「ぬ、ぬけねぇ!?」
足をぬこうとするがその影から動かすこともできない、それどころか身体全体が少女に触ったときから、全くといって動かないのである。
「あばばあうああばば!」
そして、意味不明な言葉を残してその男は完全に影の中へと吸い込まれていった。
「……馬鹿な人ね、依頼人の顔ですら忘れてしまったのかしら?まぁ、顔は見せた覚えはなかったような気もするけどね。また、仕事を頼むからよろしくね」
その場に男がいなくなっているのにもかかわらず少女は言った。
「♪~♪~」
鎮魂歌のつもりなのだろうか、何かを口ずさみながら歌うと少女はしばらくしてその場を去った。
少女がいたその場には何もなかったはずなのだが、何かの大量の血が残っていた。それはあの男が吸い込まれた影があった場所からであった。その影も少女がいなくなったとき、影なのっだから当然ながら共にどこかへと消えてしまった。それが彼女の影なのか他の影なのかはわからない。

× × ×

 気絶している男たちを協会のメンバーが次々とバインドをし、どこかへ連れて行った。とはいっても、バインドをする必要がほとんど残っていなかった。
 男たちは暴れることも騒ぐことも何もしなかった。“まるで心がない”かのようであるとメンバーは口をそろえていった。
「それじゃあ、この人たちはその少年が?」
 周りの状況を確認しながらシャッハはヴィヴィオに尋ねる。
「うん、そうなの。だから私はなんともないよ」
 ヴィヴィオはシャッハから受け取った服を着込む。
「メンバーは三人いたのよね?……が」
シャッハはコンソールを出すと各協会メンバーへと指示をだしていた。空を見上げるとちょうど太陽が隠れるそんなときだった。
 その後、シャッハの元には男たちが謎の出血死をしたという連絡が入ったのであった。

× × ×

「ヴィヴィオ……よかった!!」
玄関に入ったとき、ヴィヴィオはすぐになのはに抱擁された。
「私が弱かったから、こんなことになって結局ママを困らせてしまった」
 ヴィヴィオはなのはを弱弱しく抱きしめる。
「そんなことないよ。私がきちんとヴィヴィオのことを考えて、“あの娘”を先に渡しておけばよかったんだよ……ごめんね、ヴィヴィオ。無事でよかった」
なのはの抱擁はどこか安心できるぬくもりで、緊張していたのか一気にその場に泣き崩れるヴィヴィオ。その周りではアイナとリインフォースⅡが後ろにこちらを見て幸せそうに笑っていた。
 それからしばらく、なのはとヴィヴィオはお互いに温もりを感じあっていた。落ち着いたところで居間へと移動し、アイナが作る晩御飯をみんなで食べ始めた。
「ヴィヴィオ、ほらさきいっていた“あの娘”のことだけど。本当はまだ先かと思っていたのだけど、今度からこの娘と一緒に生活してもらうことになったよ。簡単にいえば、ヴィヴィオのデバイスになるのかな」
「いいよね?」とリインフォースⅡとなにやらなのははアイコンタクトを取り、リインフォースⅡがうなずく。
 それからなのはが後ろに合図を出すと、その合図を待っていたかのようになのはの背中から前へ移動する物体があった。
「初めまして、ヴィヴィオ」
現れたのはリインフォースⅡと似た小さな女の子であった。

× × ×

 人はどうして、こんなにも何かを求めているのだろうか?
 私が以前求めたもの。
 けれど、それは私には結局、重荷にしかならなかった。
 あのこは、今何をしているのだろう?
 いや、あのこはもう死んでしまっているだろう。
 私がそうした……殺したのだから。
 生きていてもあのこは後悔するだろう。
 自分が“影の一族”であること。
 そして、カザンによって施されたスキルによって身体を蝕む。
 そのスキルは、歳をとれば“影の一族”である限り、呪縛はなくなっていくが……
 それでもあのこがいきているのなら私は、あのこにきっと会わなくてはいけないのだろう。
 それは母親としてなのか、私の心からの想いなのかわからない。
 けれども、そんなときがきたら、その時こそ本当に命を奪い取るだろう。
 あのこもきっと、私の命を奪いに来るだろう。それだけのことを私はしたのだ。
あれをしたのはそれが“アレ”を目覚めさせるのに必要なものだし、私にはいらない過去だ。
 “ロストロギアデバイス”どうやら、この世界にはないみたいだ。
 しばらく、ここに滞在したら目標を確保して移動することとしよう。
 そう、データはまだ十分集まっていない。それにブラッドイーターはまだ完成していない。
 あと少し……私が来てからはじめたことだがもうすぐ終わる。
 私の操り人形……ブラッドイーター
 ヴォルケンリッターとどっちが強いのかな、すごく興味がある。でも、まだまだ先。
 “アレ”が目覚めてからでも遅くはない。
 でも、その頃には全てが終わっているかもしれないけど。
 “八神はやて”か……


第二話へと続く・・・
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この記事へのコメント
>>会長さん
そこがむずかしんですよね。ミッドチルダには魔力もない人も存在するみたいなので、
なんともいえない状況なんです。
学校ということと魔法に関係することを学ぶ学校というコンセプトに私はしています。

ここは、私がヴィヴィオを(ぁ
Posted by りりかる(日宮理李) at 2008.03.08 19:16 | 編集
ううん・・・・細かい突っ込みだが・・・・
魔法資質がないと学校に通えないんじゃ?
りりかるさん設定優先なら問題ないけどね

流石にヴィヴィオでもなのはと比べたら・・・・・

ヘンタイどもには俺が天誅を!!
ヴィヴィオは俺が・・・・・(ぁ
Posted by 会長 at 2008.03.08 14:40 | 編集


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