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R.U.K.A.R.I.R.I | 背中越しの笑顔 プロローグ
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2011.02.27
NANOHA avengerは、こちらの作品を改良したいわば二次作品ですね。
つまり、NANOHA avengerの元ですね。(続きの更新予定は今のところありません)

2011/02/27 内容更新




プロローグ

どうして、二つなのだろうか。
二つ、片割れ、半月、仮面。
これがなければと思う。
それさえなければ、こうはならなかった。
そのための力はもう手に入れた。
そのための犠牲ももう手に入れた。
あいつは邪魔だった。
そう、いつも思えばはやくからこうしておけばよかったのだ。
……
そう考えなければ、決心が鈍ってしまう。
結局、私は臆病なだけだった。
たった、一歩進めばいいだけであったのに。
どうして、こうなったのだろう。
どうして……
ベッドからみえるまんまるの月は何も答えてくれない。
自分で決めたことだ。
もう、何も怖くない。そう、決めたんだ。
あとは、やるだけだ。
やった後の対策も完了した。
いや、元々完了していた。
全てを知るのは私だけでいい。
それ以外イラナイ。
今、二つは一つになるのだから。

× × ×

「は、はっ、はっ……!」
夜遅くまちの中で、一人の若者の走る音だけが響いていた。
(どうしてこんなことになったのだろう?どうして俺が追いかけられているのだろうか?本来ならば、追いかけるのは俺たちで、俺達が追いかけられるのは想定外だ!くそ、彼奴等め!しくじりやがって、後でどうなるかわかっているのだろうな。そして、俺たちを追いかけているあいつも……くそ、逃げてるだけじゃぁ彼奴等と何も変わらねぇ……!)
若者は彼がいう彼奴等がいないこと……、既にいなくなってしまったことを本能的に理解していたのか、若者の目には何粒の雫が月の光に照らされていた。言葉では口にしないが身体ではそれを隠し切れなかった。
(だからあのとき、殺しておけばよかったものを。俺は楽しめたが、今のこの状態と話は別だ。おかしいとは思ったんだ。なぜ、あそこにいたのかということを。しかし、まさかこんなことになるなんてな……)
「くそ、最初からこういうつもりだったのかよ!」
 走っても、走っても“アレ”から逃げている気がしなかった。 むしろ、“アレ”は走れば走るほど近づいてくるそんな錯覚さえ生まれてくるほどである。若者が走る音にかぶさるように、走る音が聞こえる。それは“聞こえるはずのない足音”だが、若者には鮮明に聞こえた。
 それはもしかしたら、緊迫状態における身体の異常なのかもしれないが、若者にはそんなことを考えている余裕すらなかった。 追われている事実という確信が若者の脳裏にはあったからだ。
「くっ!」
(足が悲鳴を上げているがあいつのところにいかなければならない。"アレ”をあいつに伝えなければならない。だから、こんなところで立ち止まるわけにはいかない。こんな時に、変なことを思い出した……そう、こんなにも体に命令を出すなんて生まれて初めてのことかもしれない。それにこの気持ちはよくわからない。あちらにいこうにもこちらにいこうにも、自分の意志がだんだんと痛みのせいなのかわからなくなってきた)
若者の足は時より痛みを感じているのか、表情が苦痛を表していた。しかし、若者は走ることをやめようとは決してしなかった。
(運動会でも賊の集会でもこんなにも力強く走り続けたことはない。大抵いつも、どこかでサボるかどこかで女を引っ掛けているかのどっちかだったのにな)
 若者の頭には痛みのせいなのか、小さいころの思い出がフラッシュバックとしてあらわれた。
「!」
 後ろから若者の足音に合わせるかのように足音が大きく響き始めた。
「やはり……逃がしてはくれないのか」
 追われている事実が完全に確信へと変わっとき、若者は宙を見上げた。それは宙にいければ逃げられるのにという甘い考えがあったからだ。若者が見上げる宙には、丸い月がこちらを監視するかのようにこちらを見ていた。
(どこだ?どこにいるんだ!?)
若者が後ろを振り返っても、足音の犯人は見つからない。ただ、宙から月がこちらをみつめているだけである。
「はぁ、はぁ……」
ただ、ただ足音が徐々に近づいているのがより鮮明に、わかるようになっただけであり、若者はその恐怖に次第に痛みよりも迫りつつある恐怖に支配されていった。姿、形が見えないのに聞こえてくる足音。それはまるで隣にいるかのように耳元で木霊しているようにも聞こえる。
「な、なんだ一体!」
(残ったやつがどうなったのか知りたい。あれから逃れるようにこうして走ってきたが……考えたくはないが死んでしまった確率のほうがたかそうだ)
「ぅ!」
若者は背中に強い衝撃と痛みを感じた。それは後ろから鋭い獲物を刺されたときと同じ痛みを若者は思い出した。つまり、何かが若者の背中に刺さったというわけであった。
「くっ!」
若者は痛みに耐え切れずに、その場に倒れた。それは過去に感じた痛み以上のものであり、動くたびに脳裏に痛みの警告を発していた。
「どうやら……はぁ、はぁ、逃がしてはくれないらしいな……」
 若者は一番痛みを感じている場所に手をやると自分に痛みを与えているものをつかんだ。若者はゆっくりと同じように自分の胸に手を当てると、同じものの感触を感じた。
「く、く、く、ははは……はっ!」
突如として、若者は何がおもしろいのか笑い始めた。笑い声は周りが静かなせいなのか、若者がひどく可笑しく見える。
「くっ!」
 背中へと手を伸ばして、若者に痛みを与えているものを近くに投げ捨てると、その場に大の字に倒れた。その勢いで胸と背中から血が飛び出た。若者を突き刺していたものは、50cmほどのパイプであった。パイプが若者の背中から胸へと貫通していたのであった。
 倒れた若者を照らすかのように丸い月が若者をみていた。
「さ……ぁ、こ、れが……代……か……こ……み」
何かを言おうとした若者の上に、数え切れないほどのパイプが月明かりをさえぎるかのように落ちてきた。そのパイプの落ちる音の影響かもう彼が何を言おうとしたかはわからない。若者はもう既に事切れていたのであったからだ。
「カァ、カァカ。カ?」
若者を笑っているのか屋根の上で一羽のカラスが鳴いた。そんなカラスの声も一瞬だけ、鳴きやんだことがあった、それは若者を照らしていた月が隠れたときだった。
月が再び若者を照らすとき、その場には赤い血だまりしか残されていなかった。


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