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R.U.K.A.R.I.R.I | 【まどかSS】クリスマスだとは知らなかった
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2013.12.28
クリスマスシーズンはきっとまだ終わってない!(すみません。遅れました


 あたしたちはクリスマスパーティーをやるって、マミさんに一週間前に誘われてた。もちろん、あたしは断る理由なんてどこにもないから、その場で『行けます』って、すぐ答えた。まどかもあたしに続いて、『行けます』って言ったら、ほむらも続いた。その時のマミさんは頬に右手を当てて、『ありがとう』なんていうもんだから、ちょっと気恥ずかしかった。まどかと一緒に頬が赤くなるくらい、こそばゆいものだった。ほむらの奴は別にそんなことはなかったみたいで、『そう』の一言だけだったのは『何で?』とあの時も、今も不思議に思う。感受性の違いってやつなのかな? まぁ、ほむらのことはどうでもいいかな。あいつは考えても考えるだけ正直よくわからないし。わかってるのはまどかマニアというか、そういう不思議な奴ってことくらいかな。
 あたしにとっては、それだけで十分。まどかの側にしょっちゅういるけど、まどかは別に嫌がる素振りみせない。それならあたしが干渉することでもないかなぁってね。まどかが嫌がる素振りを見せたなら、そりゃあたしはまどかをほむらから守るよ。親友だし、当然だよね。
 それで今日はクリスマスパーティーの準備をするためにマミさんの部屋に集まる約束、というかクリスマス当日。夕方に飾り付けを終わらせて、そのまま夜にクリスマスパーティー開催って段取りみたい。
 クリスマスがたまたま休日だったから、時間も気にせず準備できそうなのが唯一の救い……なのかもしれない。もしもこれが学校の後にだとしたら、マミさんが一人で全部準備して、そんな用意された場所にあたしたちはただ参加するだけになりそうな予感がするよ。
 実際クリスマスパーティーの料理はマミさんが作ってあるみたいだし……てっきりみんなで料理するのかなぁって考えが頭の片隅にはあったんだけど、どうやらそれは見当違いだったみたい。
 ただまぁなんといいますか料理をいくらマミさんが用意してくれるとはいってもさ、何も用意しないわけにはいかないから、あたしでも準備できそうなパーティーグッズの詰め合わせとお菓子セットを用意した。
 まどかもあたしと全く同じことを考えてたらしく、『何か持ってた方がいいかな?』ってメールを今朝もらった。マミさんからメールをもらったのも今朝だったりするけどね。
 それでまぁ……あたしは杏子とパーティー用詰め合わせ等などを買い終わって、マミさんの部屋に向かう途中だった。
 料理といえば、マミさんはケーキも力を込めて作ってくれたみたい。それを考えるだけで、足が弾むような気がした。マミさんのケーキも、紅茶も本当に美味しいからね。
「――やけに楽しそうだな、さやか」
 あたしの思考を現実に戻すかのように杏子に問われ、
「そう……?」
 半信半疑な声色が出た。そのせいで思わず自分の声なのにびっくりしそうになった。
「あぁ、そんなにクリスマスパーティーが楽しみなのか?」
「うーん、たぶんそうなのかな?」
 どうやら、杏子からあたしは楽しみにしてるように見えるらしい。少し落ち着こうかなって、考え始めたら横にいたはずの杏子が急にいなくなった。
「ん――、」
 どこにいったのかと左右見てから、肩越しに振り返ってみれば、
「杏子どうかしたの?」
 杏子は通りのど真ん中で俯きながら歩みを止めてた。
「何、急に立ち止まっちゃってるの? そこだと通行の邪魔に――、」
「さやかはさぁ……」
『なるよ』と言いかけたあたしの言葉を杏子が上書いた。
「……」
 でもそれっきり一体どういうつもりなのか、杏子は沈黙するだけで何も言ってこない。あたしがただ杏子を見つめる時間だけが過ぎた。その間、あたしたちは冬の冷たい風に吹きつけられてた。身体の奥底まで寒くなりそうだったから、
「……」
 あたしは杏子に近づいて、
「一体……何?」
 沈黙の意味を、言葉の先をあたしは聞いた。こんなのは杏子らしくない。いつもはっきりとまっすぐそのままいう奴なのに、寒気がしそうだった。こういうのを胸が潰れるというのかもしれない。とにもかくにも、あたしは言葉を続けた。
「杏子、どうしたの?」
 あたしの言葉に杏子は最初ゆっくり頷いて、
「……えっとな」
 四回位繰り返した後、
「……そのな」
 やっと杏子は面をあげて、
「さやかは……あの坊やんとこでさ、クリスマスパーティーした方がいいんじゃないか? 確かあいつらも今日するんだろ?」
 あからさまに視線を杏子は逸らしてきた。面をあげても視線がそれじゃぁ……言いづらいってのがバレバレだよ、杏子。
「それは仁美たちに悪いでしょ」
 あたしは当たり障りのないようにそう杏子に言葉を返した。
「で、でも……さやかは、あの坊やの……」
「だから、いいっていってるでしょ!」
 声が思わず大きく出て、周りの人たちがこちらを見てくる視線を感じて、
「あたしがマミさんのパーティーに参加するのがひょっとして嫌なの……?」
「えっ――、」
 あたしは杏子の手を取って、
「それなら、あたしはこのまま帰るけど……?」
 歩き始めた。このまま家に帰るにしてもここの道は真っ直ぐ行くのが一番早い。それに視線を一度浴びた場所に留まり続けるのは嫌だった。恥ずかしさでどうにかなっちゃいそうだった。杏子はそれに拒否することなく、親が子供の手を引っ張るように歩き始めた。
「ア、アタシは別に嫌じゃないけど、さやかは違うんじゃねーかなって……本当はあっちに行きたいんじゃないかってさ。楽しみにしてるなら、余計にそうだろう?」
 違う……か。そりゃ行きたいか、行きたくないかだったら、『行きたい』に決まってるじゃん。でもね、
「確かにさ、恭介たちからもパーティーの誘いは受けたよ」
 あたしの言葉に杏子の手が微かに震えたのがわかった。杏子がこんなにあたしのことを気にしてくれてるなんて思いもしなかった。あたしは杏子の表情を見ずに言葉を続ける。
「でもさ、あたしは断ったよ。だってさ、恭介たちがはじめて過ごすクリスマスだもん。そういうのは大切にしないとさ、ダメじゃない?」
 だから、正直な気持ちを伝えた。震えはまだ止まりそうもなかった。だから、あたしは杏子の手を優しく握ると、
「だから、あたしはマミさんたちとあんたとパーティーしたいなって思ったんだけど、ダメかな?」
 振り返り笑顔を見せた。
「そうなのか……?」
 杏子の顔は半泣き状態だった。でも、少しずつ杏子の手の震えが止まってきてる気がして、
「そうだよ」
 あたしは、心の奥底から安堵に近い声色を出した。
「……わかった。もう何も言わねぇ」
「うん」
 マミさんのマンションが見えてくるまで、あたしたちはそれからずっと手を繋いだまま沈黙を続けてた。何を話したらいいのか、浮かんでこなかった。手はマンションが見えると自然と離れ、沈黙だけが続いた。
 口火が切られたのは、マンションの間近に迫った頃。
「えっとな……だったらさ、怒らないで聞いて欲しんだけどさ――、」
 衝撃的な事実をあたしに叩きつけてくるのだった。


 マミさんの住んでるマンションに入った時、まどかたちは既に到着したとのメールがきてた。杏子のこともあって、嫌な予感がした。
「美樹さん、佐倉さんいらっしゃい」
 それはマミさんが部屋の扉を開いた時、
「マミさん、冷蔵庫空っぽですよ」
 確定してしまった。マミさんが居間に向かったのを確認すると、あたしたちもその後に続いた。
「……」
 振り向いてみると杏子の顔は青ざめてた。
「……ちなみに冷凍庫も空だわ。巴マミ、あなたって、そんな大食いだったかしら?」
 居間に入ると包丁片手にほむらが言い放ち、
「……それともまどか……まどかを飢えさせるためにクリスマスパーティーを企画したのかしら?」
 と言葉を続けてた。その表情は閻魔様もびっくりするくらい怖い。しかも持ってるのも持ってるものだった。
「ち、違うのよ、暁美さん!? 今日の朝まではケーキはもちろん料理も佐倉さんがたくさん食べるだろうから、色んなものを作り置きしておいたはずだわ!」
 マミさんは身振り手振り激しく、慌ててた。
「……だったら、これは何なのよ?」
「ほ、ほむらちゃん、お、落ち着いて!? わ、私が今から材料急いで買ってくるから!」
「まどかはいいのよ、ここでわたしといれば」
「あ、あれ!? どうしてほむらちゃん魔法少女姿に……?」
「……これをこうするためよ」
 ほむらが盾からトマトを取り出すと、包丁でぶっさした。トマトの中身が床へと落下した。
「ちょ、ちょっと、ほむら……!? ここ、マミさん家だよ!? 自分家なら、そういうことしてもいいけどさ、ダメでしょ!?」
 というか、なんでトマト……!?
「そ、そうだよ、ほむらちゃん」
 包丁を持っている手をまどかが掴んで、
「食べ物はこういうことに使っちゃダメだよ」
 取り上げた。
「……」
 ほむらはその言葉に俯いてしまった。
「あ、あのね、ほむらちゃん。別にほむらちゃんに怒ってるわけじゃないけどね、あれでも怒ってるのかな?」
 まどかが首を傾げながら、包丁をくるくると回し始めた。
「ま、まどか、ほ、包丁をとりあえず置いてよ!」
「あ、さやかちゃん。そ、そうだね」
 あたしの声にまどかは包丁を台所においてでてくると、
「マミさん、これからどうします?」
 まどかが持ってきたものを一つ一つ袋から取り出した。
「私が持ってきたものだけだとちょっと五人じゃ、物足りない気がします」
 まどかの視線がこちらにきたので、
「あたしもまどかとたぶんあまり変わりないです、マミさん」
「うーん、どうしようかしら……飾り付けをしないとムード感でないわよね……」
 全員が首をかしげようとした時、
「……なら、この状況を作った人に買い物は行ってもらいましょう」
 殺気のような目つきで、
「――ねぇ、杏子?」
 ほむらが言葉を続けた。
「っ」
 その言葉にびくんと明らかに動揺してる杏子は、
「あ、あたしじゃねぇよ! そういうのはさやかの役割だろ! 大体ケーキがうまいのが悪いんだよ!」
 なぜかあたしに矛先を向けてきた。
「えぇ!? あたし!? 杏子さっき自分で食べちゃったって言ってたじゃん! それが一体どういうわけよ!」
 意味分かんないよ!
「う、うるせぇ!」
 さっきまで青ざめてた人と同じとは思えないくらいの変化っぷりだった。さっきのが青なら、今は赤という感じ。
「佐倉さん、そういえば、朝留守を頼んでいたけど、もしかしてその時……?」
 マミさんが杏子を何とも言えない目で見た。
「……あぁ、そうだよ」
 そして杏子は自分がしたことを、あたしに話したようにみんなに話し始めた。


 結局最終的にまどか、ほむらが部屋に残り飾り付けを担当。マミさん、杏子、あたしの三人がなんとかクリスマスパーティーの食材を買おうということになった。
 そうして商店街にあるスーパーを色々廻ってる中、
「なぁ、マミ、これとかも一緒に混ぜたら食えないか?」
 ペットショップの前で急に杏子が立ち止まってそんなことを言った。
「杏子、ザリガニも熱帯魚も食べ物じゃないでしょ。魚は魚だけど、そもそも食べれるものじゃなくて観賞用、それにザリガニは――、」
「あら、美樹さんも同じようなことを確かこないで言っていたわよね?」
 右手人さじ指で頬を触りながらマミさんは、
「確か……」
「マ、マミさん!? 」
 何かを言おうとしてるのを、途端にあたしは思い出して止めようとしたんだけど、
「ザリガニって食べれるのか、だったかしら」

 ――遅かった。

「……おい」
 杏子がジト目でこっちを見てきた。
「マミさん! だ、誰にも言わない約束じゃ!?」
『あら、そうだったかしら?』とはにかみながら、マミさんは先に一人歩き始めてしまった。あたしと杏子は自然と商店街に残されることになって、
「……なんだ、さやかも全然変わんないじゃん」
 憐れむような、同類を発見して喜んでるような、曖昧な表情を向けられた。
「むっむむ! 元はといえば、杏子が全部悪いんだからね!」
「ははは、違いねぇな! マミがどっか行っちまうぜ、行こうぜさやか」
 杏子が手を伸ばしてきて、
「うん」
 あたしはそれを掴んだ。
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