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R.U.K.A.R.I.R.I | 【シンフォギアSS】カエル一つのセカイ
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2013.08.23
変わる一つのセカイの続きになります。

戦姫絶唱シンフォギアGの今後の展開って、こんな感じになるのだろうか的なものを書いてみました。
話数も残り僅か!
たいへん続きが気になります。
同じことを前作でも書いたような気がしました。

切歌ちゃんが可愛い。


 幾分の時間が経過しただろうか。
 依然として、周囲を武器の衝突音が雷鳴のごとく、
「へやっ!」
 空気を圧縮させ轟かせ続けていた。
「DEATH!」
 その音は二つの異質による相互の旋律。戦いのはじめから変わらず、鮮やかなハーモニーを奏で、リズムよく、時に激しいシンフォニーへと誘い続けている。
 一つは黒き姿へ姿形をかえ、フロンティアを発動させた――戦闘の女神『ザババ』と化した暁切歌。手にはイガリマと、シュルシャガナ。彼女の核となるのは、肉体へと吸収した二つの完全聖遺物、神獣鏡そしてソロモンの杖だった。
 対峙するもう一つは、皮膚全てを外骨格のように硬化させた存在。聖遺物の欠片が、自分自身が聖遺物となった立花響。その外骨格はガングニール本来のアームドギアを彩る純白を大部分、それと純金を合わせ、鮮やかに染め上げていた。赤のマフラーをなびかせるその姿は、騎士を錯覚させるものだった。だが、その外骨格は鎧ではなく、刀身。全てがガングニールである。
「はぁあああ!」
 マフラーをなびかせ、響は切歌へと跳んだ。それに応えるよう、
「ははっははは!?」
 切歌もまたイガリマと、シュルシャガナを手の甲、手のひらへと回し、また握り直し、その一撃を受け止めた。
「立花……」
 シンフォギア奏者を超えた戦いに、翼たちは力を貸すことも、言葉をかける暇もなかった。ただ、二人の姿を見ることしかできなかった。
「おい、空が――」
 クリスたちの見上げる空は、もう……知らない空へ変貌していた。
 闇を生じさせるフロンティアの発動は依然として、止まらない。


 未来たちの乗る潜水艦の空までもが、ついに暗黒と化していた。
 全てが闇に覆うまで、時間は刻一刻と、迫っていた。
「……響」
 作戦司令室で、未来はマリアより託されたセレナの壊れたペンダントを強く抱きしめ、響の、響たちの無事を強く祈った。
 ――絶対帰ってきてね、響。
 その側では、フロンティアの闇による影響で、月落下の詳細データを収集できなくなる事態が生じていた。
「いつからだ! いつからなんだ!?」
「わかりません! 何者かが情報を制御! ハッキングをしかけていたのだと思われます!」
「なぜだ! どうして、そんなことをする必要が――」
 憤怒する風鳴司令に、
「――それは本国による隠蔽でしょう」
 静かにその様子を伺っていたナスターシャがつぶやく。
「彼らは、彼らのみが助かるフロンティア――通称ノアの方舟計画が計画されていました」
「自分たちだけは、助かろうという算段だというのか!?」
 風鳴司令が声をはりあげる。
「しかしながらそれは無理でしょう。フロンティアがそれを決して許さない。あれはそんな生半可なものでは到底抗えないものなのです。わたしは……わたしたちはもっとはやくに、そのことに気づくべきだったのです」
 ナスターシャが静かにうつむいた。
「くそっ! 我々はまた響くんたちに頼ることしかできないのか!?」


 一方的に攻撃を加え続けていた響であったが、その身体は白い蒸気が見えるほどに、高熱を発し続けていた。
「へぁ!」
 周囲に高熱を放つたびに、攻撃力は上がり続けている。その証拠に周囲にはその爪痕がいくつも抉られたかのように残っている。
「――何度でも立ち上がれるさ」
 響はタイムリミットが近づいていることを、その力の鼓動と共に自覚していた。
 ――きっと自分は燃え尽きてしまうのだろうと。
 そうだというのに、
「はぁ……はぁ…くっ!」
 絶唱の三重唱『トライバースト』と同じ破壊力を持つ衝撃刃の竜巻を撃ち込んだはずが、イガリマとシュルシャガナが作り出した竜巻と衝突し、全てかき消されてしまう。
 響は優勢の一撃だと思っていた攻撃は何一つとして、切歌に効果がなかった。
「すぅ……」
 距離を取り、響は深呼吸して、自分を落ち着かせた。
 ――身体の奥底から力を感じる。どんな敵だってきっと倒せる。でも……それじゃぁ、ダメなんだ! どうしたら、切歌ちゃんを救えるの?
 焦ってはダメだと思っても、心は乱れるばかり――だから強く、強くイメージした。
 最強の槍。
 かつて自分を救ってくれた天羽奏のように、みんなを守るその力を。

 ――もっとガングニールを感じるんだ! 深いところまでずっと奥まで!

「っ――!?」
 ドクンと心臓の高鳴りが強くなった感覚が響を襲った。
「う、ががが、ががっ!」
 その感覚を響は知っていた。以前から響を襲い続けていた破壊衝動の波長だった。
「っががががぅ、くっ!」
 それでも、
「――どんな花が咲くのかなぁ?」
 響は歌い、また一歩を踏み出して、虹色の閃光と共に拳を切歌へと叩きつけていく。
「お、おい、あいつの身体!?」
「……立花」
 クリスたちが見る響の姿は、また変化しようとしていた。
 右手、左足、左手と切歌に攻撃していくたびに、純白が純赤に変化する。熱気を撒き散らし、変わっていく。
「あの馬鹿は……一体どこまでやるつもりなんだよ!?」
 クリスが耐えられず目を逸らした。
「雪音、目をそらさず立花を見るんだ! あれが防人としての立花のやり方なのだ……」
「お、お前! 馬鹿なこといってんじゃねーよ!? 自分の顔見てみろよ!」
「わたしの顔……だと!?」
 翼は自分の手が震えている事に気づき、誤魔化すように握り拳を作り、
「……それでもだ。それでもわたしたちは立花を見なくてはならないんだ!」
 翼は吠えた。響に何も出来ない自分の弱さに嘆いた。
「わ、わかってるよ!? でもな……でもな!」
 クリスはそういって、視線を響へ戻した。
「……赤い」
 調がそうつぶやく頃には変化は完了していた。
 響の外骨格は、純白であった部分を全てマグマのように真っ赤に染め上げ、更なる蒸気を撒き散らし始めていた。
「――咲き歌う……!」
 踏み込んだ響のスピードは、変化する前とは比較にならないほどに速く、その一撃は凶力だった。
「っ――」
 そのことによって、笑い寄生声をあげていた切歌の動きの余裕がなくなり始めた。笑う余裕すら与えないほどまでに――、完全に優劣の差を二度目の変化によって、手に入れたのだった。
 響による全身を使った全力攻撃に術もなく、後退していく切歌であったが、
「くぅ!?」
 一瞬の猶予。
「DEATH」
 響を襲った一瞬の破壊衝動による自己停止は、切歌に時間の猶予を与えてしまった。
「た、立花ぁああ!?」
 翼が叫ぶその先で、響の左手首が宙を舞っていた。魂を切り刻むイガリマによる一閃だった。
「んっ!」
 それでも響は諦めなかった。舞った左手首を自ら掴みとると、
「はぁ!」
 右手で切歌へと叩きつけるように投げた。
 好機とみなした切歌は、シュルシャガナによる追撃のために、
「ははははっ!?」
 イガリマによる防御の瞬間、爆発が生じた。
 響の左手首が爆発したのだった。


「ばく……はつだとっォ!?」
 その振動は、現場に近づきつつあった潜水艦を大きく揺らした。
「響……!? もう……いやだよ……」
 響を強く想い、握りしめていたセレナのペンダントは――、
「ひ、びき……」
 未来の言葉に反応するようにうっすらと点滅しはじめていた。それはやがて未来の姿を包み込み、
「おねが――」
 突如として未来と共に消えた。


「……っ、立花たちは!?」
 翼たちは、響が発動させた爆発によって吹き飛ばされていた。
 目の前に広がるのは、白の煙。それが先の爆発によるものなのか、響の熱気によるものなのか、翼には判断できなかった。
「違う……わたしはこんなことのためにやると誓ったわけじゃ!?」
 マリアが自分たちの行うとしていた現実を再度知って、悔やんだ。
「マリア……あいつを信じよう」
「あの馬鹿はどこいったんだ!」
 クリスが立ち上がり、煙の中を探そうとして、
「っ――」
 下唇を噛んだ。
 響の姿はすぐ確認できた。それは煙の中ではあっても、激しい赤の色を示していた。
 ――赤い獣がそこにいた。
「……立花。君は生きなければいけないんだ……小日向が待っているんだ」
 一振りの――、
「翼さん、わかってます。私には帰る場所があるんだって」
 何かによって、白の煙はかき消された。
 それは爆発によってイガリマを失った切歌による、シュルシャガナによる攻撃だった。右手でその一撃を受け止めた響は、アームドギアとして再構成しつつあった左手による掌底で、切歌を吹き飛ばした。


「こ、ここは……!?」
 未来は自分がいる場所がわからなかった。知らない世界にいた。
 星々が輝き、宇宙を泳いでいる――浮いている感覚がしていた。
『――マリア姉さんを助けてくれないかな』
 そのいくつもの星々が一つになって人の形を作り、声をあげた。
「あなたは……誰?」
 未来の目の前に、見知らぬ少女が未来と同じように浮いている。
『わたしは、セレナ。セレナ・カデンツァヴナ・イヴ。マリア姉さんの妹だよ』
 セレナ・カデンツァヴナ・イヴ。未来の前にいるのは、死んだはずのマリアの妹だった。
「マ、マリアさんの!? でも、どうして?」
『ギアを纏って、みんなを助けて欲しいの』
 マリアが手を差し伸べてくる、その手の中には壊れたセレナのペンダントがあった。
「わたしにはできないよ! みんなの帰る場所を守ることしか――」
『大丈夫、あなたならできる』
「でも、このペンダントは壊れてるんじゃ」
『みんなの絶唱の力が、ペンダントに残ったわたしの残留思念に集まってくれたの。絶唱の力がまだ残ってたんだ。ほら――よく見て、あなたにならできるよ』
「えっ?」
 確かにそれはあった。
 セレナの手のひらの上には、『壊れていないペンダント』がいつの間にかそこにあった。
「でも、わたしにはどうしたら!」
『あの娘を助けたいんでしょ?』
「それは!」
『だったら、大丈夫。マリア姉さんを、みんなを救いたいわたしの心と同調できる』
「……本当にそんなことできるの?」
『できるよ。なんとかなる』
「……」
『それに考えてる時間はないの。あのままじゃ、あの娘もいずれわたしみたいに消えてしまう』
「……わかった。セレナさん一緒にいこう」
「ありがとう」
 セレナの頷きと共に、未来はそのペンダントをセレナの手ごと握りしめた。


「あ、あれは、ソロモンの杖か!?」
「あぁ、間違いねぇ! あれはソロモンの杖だ!」
「でも、一体なぜ……?」
 翼、クリスが見つめる先には、ソロモンの杖の砕かれた一部が落ちていた。
「――そうか!」
 その近くには、イリガマの欠片もまたあった。
「立花! シュルシャガナを壊すんだ! それでフロンティアは止まる! 奏者も殺さずにすむ!」
「……っ!」
 響がそれに頷くような素振りをみせて、加速し始めた。
 深く、より深い場所へ『アクセス』するようにガングニールの力を開放していく。

 ――私ト云ウ音響キソノ先ニ。

「ひゃはははは!」
 シュルシャガナを振り回し、それを阻止しようと切歌もまた動き始める。それは風を産み、竜巻へ変わり、鉄壁の攻撃を生み出した。
「っ――」
 加速した響と、竜巻となった切歌がぶつかった瞬間、
「いっ――、」
 竜巻は消滅した。
 左手による――風鳴司令直伝の発剄。
 それは竜巻を止めるのと同時に、防御させたシュルシャガナを、
「けぇええええ」
 次いで――腰を入れた右手のストレートにより、割った。
「ひゃははははは――あ」
 笑い声を途切らせ、切歌はその場へと倒れた。
「や、やったのか!?」「お、おい!?」「き、切ちゃん!?」「切歌!」
 響は倒れた切歌を見下ろし、砕けた神獣鏡があるのを確認すると、
「待て、立花! どこへ行こうというんだ!」
 響はみんなから距離を取り始めた。
 その背後では、切歌に駆け寄るためにマリアと、調が動いていた。
「し、らべ……? 何泣いてるデスか。それにマリアも……?」
 調によって、抱きしめられた切歌が目を開ける。
「き、切ちゃん!」「切歌!」
 マリアと調の声を聞いて、さらに響はみんなから距離を取った。
「おい馬鹿! どこ行く気だよ!」
「そうだぞ、立花!」
「――近づかないで下さい!」
 近寄ろうと翼とクリスの足が、響の叫び声で止まる。
「これで良かったんです」
 響の身体は熱気による影響なのか、真っ赤であった外骨格をまるで焦げた紙切れのように黒く染めていた。
「私の身体はもう臨界点を超えて、消滅します。だから……翼さん。みんなの近くにはいられないんです」
 熱気は依然として、まだ響の周囲を高温へ熱し続けている。
「そんなこと知ったことか! 立花生きるんだ! 生きてくれ、奏のようにいかないでくれ!」
 嗚咽混じりの声で、翼が叫び返した。
「ダメなんです。破壊衝動に身を委ねずに、いつまで正気でいられるかわからないんです。だから――」
 響は、一歩。また一歩と翼たちから離れていく。そして、
「もうさようなら、なんです」
 肩越しに、笑顔で振り返った。
 響の言葉通り、外骨格が臨界点を超え始めたのか、響の身体は崩壊を始めていた。各パーツを構成していた部分が燃えかすのように散っていく。
「お、おい……なんとかならないのかよ!?」

『響、またわたしとの約束破る気なの?』

 どこからか声がした。
「み、未来なの!?」
「ここだよ」
 響が正面に向き直すと、そこには光輝いた未来の姿があった。
 その姿は、シンフォギア奏者ではなく、普通の人間だった。
「ど、どうして――、」
 高温と化した場所で、平気な顔を見せている。
「み、未来……どうして!?」
「心配だから来ちゃった」
「えっ――」
「……嘘。これでおあいこだね。本当はこう――」
 未来が歌を口ずさみはじめた。
「あ、あれは、セレナのペンダント!?」
 それはシンフォギアを纏うための、歌。
 眩い光が収まると、そこにはセレナと同じシンフォギアを纏う未来の姿があった。
「わたしにもできることがあったの」
「み、未来ダメだよ!? そんなに近づいたら――」
「溶けちゃう? 大丈夫だよ。わたしを信じて」
 未来は響を抱きしめながら、絶唱を口ずさみ、
「み、未来、そ、その歌は!」
 二人を光が包み込んだ。
 絶唱による衝撃波が翼たちに襲いかかる。
「っ!? 立花たちはどうなったというんだ!」
「おい、アレみろよ!」
「た、立花!? 元に戻れたのか!?」
 光が収まった場所には、シンフォギアを纏う『二人』の姿があった。
「わ、私!? も、元に戻って! み、未来!」
「――おかえりなさい」
「ただいま!」
 響は、今度は自分から抱きしめた。
「……なぁ」
「……あぁ!」
 その二人の様子を見て、翼、クリスは駈け出した。
「本当にお前なのかよ」
「い、いはいよ、フリフはん」
 響の頬をつねって、本物であることに満足したクリスは、
「し、心配ばかりさせやがって!」
 つねるのをやめ、顔を響からそむけた。
「小日向くん。それが君の……防人としての力……なのか?」
 未来は静かに首を振った。
「違います。これはわたしだけの力じゃないんです。セレナさんの、みんなの力が集まって出来た力なんです」
「そ、それじゃぁ」
「もう多分同じことはできないね」
 未来が微笑んだ。響が安心して側にいられる場所がそこに咲いた。
「響はもう――」
「うひひひひひ、ハッピーエンドですか!? そうですか! それは良かったDEATHね!」
「ウェル博士!? 生きていたの!?」
 左腕を失った傷だらけのウェル博士が地面から這い出てくると、
「フロンティアは確かに失敗に終わりました。ですが――、」
 空を指差す。
「まだこいつが残ってるんですよ! ひゃはははははははは!」
 ウェル博士の背には、闇の空を掻き消し、大きな月が姿をあらわした。
「月の落下……!?」
「そうです! もうこれは何をやっても止められません。絶対の絶対! はははははは」

『――みんなで力を合わせれば大丈夫だよ』

 どこから聞こえた声は、光となって奏者たちを包み込んだ。
「セレ、ナ?」
「ち、力がふれてくるデス! これなら、いけるデス」
「これは一体……」
「セレナさん……ありがとう」
「なんだよ、またアレをやるってのか?」
「立花、大丈夫なのか?」
「平気です。わたしがいます」
「いやぁ、未来に頼りっぱなしってのは、心苦しいですが大丈夫です! いけます!」
 七人の奏者のエクスドライブモードが発動した。
 そして響を中心に虹の花が、空に咲いた。

 響たちの絶唱により、月は跡形もなく消滅し、この事件は幕を下ろす。
 ロストムーン事件、この事件はしばらくして呼ばれ始めた。
 月を欠いた世界が、新たな災厄をもたらすことになるとは、響たちはまだ知らなかった。

 ――バラルの呪詛はまだ続いている。
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