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R.U.K.A.R.I.R.I | 【シンフォギアSS】変わる一つのセカイ
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2013.08.20
戦姫絶唱シンフォギアGの今後の展開って、こんな感じになるのだろうか的なものを書いてみました。
話数も残り僅か!
たいへん続きが気になります。
同じこと(novel/871234)を前作でも書いたような気がしました。

切歌ちゃんが可愛い。


「ま、間に合わなかったというのか!?」
 翼たちの前で世界を破壊し、平和な世界を作るフロンティアへの入り口が開いた。
 漆黒の光が辺り一面に攻撃となって、降り注ぎ、その中心点で切歌が響の暴走モードのようにその姿を変えていく。その身体は漆黒色に染まり、その手には翠刃のイガリマだけでなく、紅刃のシュルシャガナ、二対の刃が生まれていた。
 神獣鏡、ソロモンの杖を使い完全聖遺物となった切歌。
「あはははは、これでフロンティアは発動。ひゃははははははは! 皆さんご苦労様! ははははは!」
 それは、ウェル博士による切歌へのLiNKER過剰投与が原因だった。
 ウェル博士の暴走を止めようとしたマリアと、調の手は届かず、
「ははははははっ!?」
 フロンティアがここに、暴走状態で発動していた。
 止めようとしたフィーネの心も、切歌の平和を望む声も、過剰投与されたLiNKERによる負荷暴走で、全て消え去った。自ら、神獣鏡、ソロモンの杖を取り組んだのだった。
 そして己が守護神、己がフロンティアへの誘い人へなったのだ。
「き、切ちゃん! もうやめようよ!」
 その力は強大で、凶悪だった。シンフォギア奏者が、四人揃っても、歯がたたないどころか、何一つ現状を変えられなかった。
「くっ、聖遺物の欠片だけでは完全聖遺物には到底及ばないというのか!?」
 シンフォギア奏者、翼、マリア、クリス、調は防戦一方で、ただ攻撃を凌ぐばかりだった。
 切歌の一撃で、二人。次いだ二撃で四人を上回る攻撃を放つ。寄生声を上げつづけていたウェル博士はその一撃を受け、満足そうな笑みを浮かべながら空高く舞っていった。
「切歌! もうわたしたちが戦う必要なんてない!」
「切ちゃん!」
「ひゃははははははは!」
 マリア、調の声は届かず、全てを切り裂く鎌となったイガリマが牙をむく。
「っ――、声が届かないの……!?」


 その様子を、モニターを通して静かに見守る二人の姿があった。
 そこは特異災害対策機動部が所有する潜水艦の隔離部屋。ソファーとモニターが置かれた机。そして小さな丸い窓があるだけの部屋だった。
「っ――」
 その内の一人は居ても立ってもいられなかった。すぐにでもその場に飛んで行きたかった。
 ――立花響。
 全てを風鳴司令から聞いて、その身の保護のために、隔離部屋に監禁されていたのだ。とはいえ、扉には鍵は閉まっておらず、完全な監禁ではなかった。
 師匠である風鳴弦十郎との信頼における、己自身での謹慎だった。

 ――これは信頼の檻なんだ。

 そう決意し、この場に留まっていた響であったが、傷つき、苦戦していく仲間の姿を見て、身体が落ち着かなかった。落ち着かせる方法も思いつかなかった。
 響の脳裏に浮かぶのは、『――私が戦えばなんとかなるかもしれない』という自覚だった。
 けれど、もう一度『シンフォギア』を纏えば、もう一度『S2CA』を使えば、一体どうなってしまうのか。
 響自身も風鳴司令から聞かなくても薄々気づいていたことだった。度重なる暴走、そして失った腕の再生。どう考えても人間がなせることではないと、知らない響ではなかった。
 そうだとしても、私は……
 仲間たちの叫びとともに、響の決意が揺らいでいく。
 隔離部屋の中に封じ込められている身ではあるが、変身してしまえばどうにでもなる。変身などせずとも、扉を飛び出して、翼たちの元へと駆けつけてしまうことも本来ならば可能なのだ。
「大丈夫だよ、響。みんなを信じよう」
 隣で同じように心配そうにモニターを見る未来の姿を一目見て、
「う、うん」
 響の胸の鼓動は高鳴りはじめだした。


 一人、また一人と暴走する切歌の圧倒的なパワーに振り回されて、まともに近づくことすらできなかった。
 翼の天羽々斬も、クリスのイチイバルも、マリアのガングニールも、調のシュルシャガナも完全聖遺物の前では簡単に弾き返されてしまう。
「ははははははっ!? DEATHよ?」
 鎌による一撃が、全てをかき消し、シンフォギア奏者たちの攻撃を相殺する。圧倒的なポテンシャルの差を見せつけていた。
「切ちゃん! いい加減目を覚まして!」
「やめなさい、切歌! マムも誰もこんなこと望んでいないわ!」
 調が叫ぶその声は切歌の耳には届かず、マリアの一声もイガリマと、シュルシャガナの双撃にかき消されてしまう。
「奏……わたしたちはどうしたらいいんだ」
 天羽々斬を杖に、立ち上がる翼はフロンティアが生み出した漆黒の空を見上げた。
「エクスドライブモードにさえなれれば、あんな奴今直ぐにでも――」
 クリスがメガデスパーティによる援護射撃をはじめ、それに続きマントを竜巻状態に変化させたマリアが突撃を開始した。


 ――みんなが頑張ってるのに、私だけここにいるなんて。
 響の瞳には、決意の色が鮮やかに咲き、立ちあがる決意を呼び覚ました。
「いかなくちゃ」
 そしてつぶやき、部屋の窓から外を見た。
 地上へと浮上している潜水艦の窓からは、暗い闇の世界が、遠く離れたその場所からでも確認できるほど、世界を侵食し始めていた。フロンティアの発動による影響だった。
 その力は少しずつながらも、確実に世界へとコマを進ませ続けているのだ。
「ダメだよ、響」
 響の手を、未来が静止させるために握りしめた。つらそうで悲しそうな表情だった。未来自身も響が迎えるかもしれない運命を知っているからだった。
 その未来を回避するために、風鳴司令からお願いされて、自分で決めて、翼たちからもお願いされたことだった。
「でもね、未来――、」
 響は優しくその手を握り返すと、
「みんながピンチなんだよ」
 そう微笑んだ。
 真剣でもう何も迷いがなくなった響がそこにはいた。それでも未来は、
「駄目だよ! わたしが今度は響を守る。守らせて!」
 叫んだ。響が死んでしまう未来は見たくなかった。
 一度そのことを体験したのだ。二度目は自分自身が壊れてしまうと、未来は思っていた。
「未来……」
 響は一瞬虚を突かれたような表情を見せたと思うと、首を振るった。
 そして、
「私は……、私がシンフォギアなんだ」
 未来の顔をしっかりと見て言った。
「響……?」
「切歌ちゃんに対抗するには絶唱の力……ううん、私の力が必要なんだ」
「で、でもそしたら響は……」
 その先を言うのが怖い未来は響から、視線を逸らした。
「大丈夫だよ、未来。私が帰る場所はここにあるんだ。未来が、みんなが笑ってられるこの場所が、私の場所なんだ」
 昔の記憶が蘇る響。
 ――どんなに罵られても、どんなに偽善者と言われてもいい。私はみんなを守るシンフォギアなんだ。だから、
「待ってて未来! 私を信じて!」
「響……」
 放すものかと、力強く握りしめていた未来の手が響から離れる。
「絶対だよ! 絶対生きて戻ってきて!」
「約束するよ。だって、未来との約束だもの」
 響は震えていた未来の身体を強く抱きしめた。
「――行ってきます」
「う、うん。行ってらっしゃい、響」
「~♪ ~♫」
 未来が見守る中、静かに響の身体が光り始め、シンフォギア・システムが稼働を始めた。


「艦内から、アウフヴァッヘン波形を観測! こ、これは!?」
 作戦司令室のモニターに浮かび上がった文字は、
「ガングニールだとぉッ!?」
 机を乱暴に叩きつける風鳴司令。
「――信じることにしたんです」
 作戦司令室の扉が開くと、未来が言い放った。
「行かせたというのか、友だちである君がか!?」
 風鳴司令は驚きと、罵声の混じった声で返した。
「わたしは響を信じたい。帰ってくるってそう約束してくれた」
 風鳴司令の頭の中を過ぎったのは、フィーネとの戦いでの響と、未来の繋がりだった。
「……わかった。信じよう」
「か、風鳴司令!? そ、それじゃ、響ちゃんは!?」
「響くんはわたしの一番弟子だ。教えることは全て教えこんだ。彼女が運命を受け入れて、行くと決めたんだ。OTONAの俺達が信じないで誰が信じるというんだ!」
 作戦司令室が静まり返り、全員が頷いた。
「……響」
 未来の見つめる画面では、ガングニールの力を開放した響の姿が、切歌たちのいる元へと飛翔していった。
 だが、ガングニールによって生まれた胸の傷は生命の鼓動を刻みつけるかのように、黄色い閃光、そして点滅という鼓動を告げていた。


「うおおおおおおお!」
 響の拳による一撃が、翼へと伸びつつあった切歌のイガリマによる一撃を吹き飛ばした。
「た、立花!? なぜ、ここに!」
「おい、おっさんどういうことだ」
『……響くんが自ら望んだことだ』
「はあ!? おい、お前! 自分が今どうなってんのか、知ってんのかよ!?」
「知ってるよ、クリスちゃん」
「だったら、帰れよ!」
 切歌への牽制攻撃をしつつ、クリスが罵倒する。
「ダメなんだ。切歌ちゃんを元に戻すには、完全聖遺物と一体化した神獣鏡とソロモンの杖を破壊して、フロンティアの発動そのものを止めるしかないんだ!」
「そんなことは、立花に言われずとも理解している!」
 翼が響の前に立ち、
「だが、立花がすべきことじゃない。もっと君は人のためにその生命を遺すべきだ。わたしが、わたしたちがアレを止める。それが防人としての役目だ」
 天羽々斬を片手に翼が響へと振り返る。
「……翼さん。ありがとうございます。それだけ聞ければ、私は戦えます。向かっていけます!」
「何を言っているんだ、たち――、」
 響の顔を見た翼が言葉をつまらせた。
「……もう決めたのだな」
「はい」
「わかった……」
「おい、お前らどういうことだよ!? いいのかよそれで!?」
「ありがとうクリスちゃん。私の力なら切歌ちゃんを止められる」
 その言葉に、マリア、調が切歌と距離を取り、響の近くへと着地した。
「ほんとなの? 切ちゃんを助けられるって話は?」
 調の言葉に頷き、
「みんなの力を私に下さい」
 両手を響はシンフォギア奏者全員へ、手を差し伸べるかのようにつきだした。
「まさか絶唱を……!? ダメだ、それでは君を本当に壊してしまう!」
「大丈夫ですよ、翼さん。だって、私のアームドギアは、『誰かと手を繋ぎ合う』力なんですから!」
「わたしの決意の甘さがこんな事態を招いてしまった。そんなわたしが貴女にこんなことをいうのはおかしいかもしれないけど、切歌を救って欲しい」
「……お願い、切ちゃんを助けて」
「大丈夫です。切歌ちゃんは必ず助けてみせます!」
「ひゃははははははは!」
 暴走した切歌は、フロンティアの発動により、漆黒の闇を生み出し続けながら、当たり一面に手当たり次第、双鎌の攻撃を加え続けている。
「……わかった。雪音、立花を信じよう」
「あぁもう! わかった、わかりましたよ。信じればいいんだろ!?」
「ありがとう、二人共」
「で、でも、死ぬんじゃないぞ?」
「あぁ、立花。死ぬことは許されないぞ」
 わかっていますという響の言葉とともに、シンフォギア奏者が全員頷きをうつ。
 そして五人のシンフォギア奏者による絶唱が始まり、
「――セットぉ! ハーモニクスッ!」


 周囲に眩い閃光、そして耳を劈く雷鳴音が轟くと、その中心地点には『何か』が立っていた。
「あれは……立花なのか!?」
 翼の目の前に立っている人物を響だと認識することが、翼にはどうしても出来なかった。その姿はもはやシンフォギア奏者の姿でも、暴走した姿でも、エクスドライブモードを発動させた姿でもなかった。
「まさか……」
 脳裏に過ぎった考えは、完全聖遺物『ネフシュタンの鎧』と融合した櫻井了子――フィーネの姿だった。
「おいおい、あいつはどこいっちまったんだ!?」
 強烈な光とともに消えた響の姿を探すクリスは声を荒げた。
「――あれが立花なんだ」
「う、嘘だろ、おい!」
 クリスが指差す場所にしたその『何か』は、マントを翻し、二対のマフラーをなびかせながら、一歩、また一歩と切歌のいる方向へと進み始めた。
「あれじゃぁ、あいつが『ガングニール』そのものになったみたいじゃないか!」


「幾億の歴史を超えて――、」
 ガングニールそのものとなった響が歌を口ずさみながら、切歌へと攻撃を放つ。
「この胸の問いかけに応えよShine」
 拳を振りかざすと、虹色の衝撃刃が切歌へと飛んで行く。
「はははははっ!?」
 双鎌でいなそうとした切歌の身体が衝撃で、吹き飛ばされ、
「あははっ」
 新たな敵を歓喜する声をあげた。

 完全聖遺物を吸収した暁切歌と、聖遺物の欠片から聖遺物となった立花響。
 最後の戦いが、今始まりを告げようしていた。

続き
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