[PR] 一戸建て
R.U.K.A.R.I.R.I | 魔法少女まこと☆マギカ 4th step
About Circle Board Twitter Link Circle work Mail RSS facebook google+    同人サークル『R.U.K.A.R.I.R.I』のHPです。
ブログ内人気記事

他ブログ及び本ブログ最新記事


2013.04.04
魔法少女まどか☆マギカのスピンオフ作品としての4th step。

目が見えない少女が希望をえがくとき……とは。

駆け足となってしまいましたが、これにて完結となります。

文言修正等は、引き続き行なってく予定です。


4th step

「あれが魔獣と呼ばれる存在だよ」
「魔獣……」
 視界に入ってるへんなのはそういう名前なの? はじめてみる。
って、全てはじめてなんだけど。
ここが天国……なのかな?
 それにしては、仰々しいような?
それにこれって、本当のことなの?
「信じられないって顔をしているね。これが契約だよ」
 声の方を見れば、右肩にのってた生物が見えた。
 なんか重さと違ってちっちゃい? いや、大きい。
 大福餅ぐらいの重さなのになぁ。
 猫もちっちゃいけど、こんなに軽くなかった。
「君は魔法少女になったんだよ。だからボクと一緒に魔獣と戦って欲しいんだ!」
「魔法少女……、お、おぅ!?」
 私の着てた服がワンピースじゃなくなってた。何だろう、制服みたいな感触が布からするけど。ひらひらするのがスカートに着いてるけど、こんなん穿いたの久しぶりのような。
「それが魔法少女の姿さ。君にとってははじめてみる、服かもしれないね」
「う、うい!?」
 唸り声が聞こえ、思わず耳を塞ぐと魔獣と呼ばれたへんなのが何だか両手みたいなのを振り回してた。暴れてるの……?
「ど、どうすればいいの?」
 右肩に乗る生物にそう尋ねると、
「君には戦う力が与えられたはずだよ。魔獣たちと戦う力がね。君の願いを叶える代価としてね」
 戦う力……? ほんとにそんなこと出来るの? 
「信じられないかい? でも、これは本当のことだよ。まこと、君は魔法少女になったんだよ。魔獣と戦う少女にね」
 そうは言われても、見たことも聞いたこともなし、これはただの夢幻なのかもしれないし……。
 何か嫌な気配がして、足を踏み込んでみれば、
「わっ!?」
 す、すごいっ! 軽くジャンプしたはずなのに、私の身体は宙に浮いてた。私の三倍ぐらいもある魔獣の倍ぐらい飛んでた。
 嫌な気配がした場所には、魔獣って呼んでた奴よりちっこい何かが走り回ってた。あれも魔獣なのかな? 
「力まないで、魔獣を倒したいって願うんだ。そうすれば、きっと魔法少女の力が君に答えてくれるよ」
「えっと……、わかった。やってみる」
 下降してく感覚がする中、私は意識を集中させた。『何これすごい』って感激を抑えつつも、魔獣を倒すって意識をイメージさせてく。
 夢でも何でも、終わらせるにはきっとこの生物のいうことを聞くのが一番はやい。そんな気がした。
「うっ!?」
 次第に身体中の血が目に集まってくるような感じがした。それに身体が冷めてくんじゃなくて、熱を持ってくそんな感覚が身体を巡ってく。
 地上へと到達すると同時に目に激痛を感じて、
「っ――」
 すぐに閉じた。
「いたたたっ」
目にゴミが入ったみたいな痛みだった。
 しばらくして、痛みがなくなり始めて、目を開けると、
「あれ……?」
 魔獣がなぜか固まっていた。
近づいて触ってみると。
「……硬い」
 石のような硬さがあった。ノックしても、扉よりもずっと硬い感触。
「これが魔法少女だよ」
 その声で、
「はぅ」
もわもわしてきた。
「あなたが……、キュゥべえ?」
 右肩にいたはずの生物――キュゥべぇは魔獣の上に座ってた。
「そう、ボクがキュゥべえ。そして君がまことだよ」
 これが神さまの正体? 目の前で見えてもなんかやっぱり変な気がする。どこがっていわれると答えられないけど……。
 唯一わかったのは、キュゥべぇが神さまかもしれないってこと。
だから、
「キュゥべえって、神さまなの?」
 私はその言葉を口ずさんでた。
「いいや、違うよ。ボクはボクさ。それはそうとして上出来だよ、まこと。君には魔法少女としての素質があるんじゃないか。とてもはじめてとは思えないくらいの戦いだったよ。さぁこれでやっと戻れるよ。ほら見てみて、魔獣空間が崩壊していく」
「魔獣空間……?」
 魔獣空間というものが壊れてく中で、
「そして、こっちが君のいる、人間たちの暮らす世界だよ。本当の君のいるべき世界だよ」
キュゥベぇがそう話した。空の色がその影響で変わってく、何色なんだろこれ?
「そ、うなんだ……ほんとのこと……」
 魔獣から降りたキュゥべぇの頭を撫でると、触り心地は昔触ったことのある猫と一緒だった。この生物は何? 神さまじゃないらしいけど、猫?
私が知らないだけで、ほんとは猫って喋るとか? 
「ん……?」
ほら、驚きって病人にあまりいい影響がないとかって聞いたことあるし。
でも――こんな長い耳をしてたかな?
 少なくとも今までに触った四匹とは違うみたい。家に帰ればたぶん動物の資料がありそうだから見てみようかな。
「はは――」
これがほんとに現実っていうなら、やることが増えて楽しいな。
空は魔獣空間ってものは完全に消えてた。
目が見えるってこういう世界なんだね。
「っ」
気が付くと、私は走り始めてた。
身体が勝手にというか、早くお母さんに会いたかった。
だって、目が見えるようになったんだもの。
服は――いつのまにかワンピースに戻ってた。

トイレに駆け込んだから、多くの人が誤解するかもしれない。
そもそも、あれが人間なのかわからないけど……一杯いたからたぶん。
「……」
 おそらく鏡であろう物体で自分を見つめて、これが私の顔なのかって思った。
 なんてことない顔。
 可愛いのか、可愛くないのか。よくわからない。
 でも、歩いてた人と思われるものと同じようなパーツ。だから、きっと私も人で外で歩いてたのも人……だと思う。これも家に帰ればわかるかな?
 そうだ。
『絶対に服をめくってはダメよ』
 お母さんがそう言ってたのを思い出した。
何でだろうって興味は自然と私の身体を動かしワンピースをめくって、
「あっ……」
 動けなくなった。
 めくって見えた私の身体は綺麗じゃなかった。
 右腕には注射や切り傷が一杯あった。
「……」
 それで理解できてしまった。あの時聞こえた声はほんとだったんだって。
 嘘でもなんでもなくて私は――私はサンプルなんだ……。
 左腕を見る勇気はもうなかった。右腕だけでこれなんだから、他もきっと同様なことなんだ。
「……あれっ」
その代わりに右腕から見えたのはワンピースに付着した何か。
もしかしたら、血というものかもしれない。
――赤黒い血。
それが左腕にびっしりとワンピース越しでもわかるぐらい色づいてた。傷口から流れたのかな? 
もしかすると、私を見てた人は、ほんとはこれを見てたのかもしれない。

「はぁ……」
 トイレから抜けだした私はまっすぐ家に向かってた。
 人からの視線は相変わらずだったけど、迷わずに。
早く逢いたいなぁって気持ちのほうが大きかった。
私がサンプルでも、もうやめる話だったし。それにもう目が見えてるんだもん。
――大丈夫。
確か、今日の便で帰ってくる約束。
そうだ、今まで苦労かけちゃった分、ずっとずっと恩返ししよう、そう思ってると、今まで病院まで歩いてた道がだんだんと見えてきた。
あの魔獣空間って場所は、少しだけ外れた道で開かれたものみたい。遠くても少し探検するつもりでいたから、ちょっと残念。
それに、この足に来る感触は間違いない。この道が家までの道だ。
「……」
いよいよ自分の家とご対面かぁって思うと、武者震いのようなものがきた。あの変な怪物と戦ってた時はこなかったのに、おかしい身体。
「ここかなぁ」
表札には、
『八上』という漢字がかかってた、たぶん。
この漢字が私の苗字? 判断材料がないからわからないけど、この匂いと足の感触。どう考えても私の家だよね?
初めて見る自分の家。
「……」
そのせいか一瞬認識力がおかしくなりそうだったけど、それはそれでとても嬉しく感じた。
「入らないのかい?」
「あなた、付いてきたの?」
「ボクも興味があったからねぇ、君の親がどういう反応を示すのか」
「そっか、なら紹介してあげる」
 目を治してくれた本人なんだもん。当然だよね。
「それはちょっとむずかしい気がするけど、まことのしたい通りにすればいいんじゃないかな」
「そうなの?」
 何を言ってるのかよくわからなかったけど、不安と期待。
今まで住んでた場所だってのに、こんなにも心臓がドキドキするなんて。
「えっと――」
とりあえずチャイムを鳴らしてみた。もしかしたら、早めに帰ってきたのかも……って甘い考えだったけど、家は依然と沈黙のままで、中には誰もいなそうだった。
それもそうか……帰ってきてないなら、留守だもんね。私は外にいるわけだし。
玄関に手をかざして、手相と指紋を読み取らせる。
目が見えないための仕組みだけど、今は煩わしさしか感じない。
早く開いて欲しかった。
鍵を持っていれば、そっちの方が早いのかな? お母さんたちは鍵で開けてたみたいだし、確かに鍵穴がセンサーの下の方にある。
縦長の鍵穴。触った時はこんなに小さいって思わなかったなぁ。

おかしいなぁ。
そう感じ始めた頃には既に到着時間予定から、1時間ほど過ぎてた。
電車や飛行機が遅れることは別にこれといって珍しいことじゃない。
ラジオをつけてみても特に関係ありそうなニュースが流れてこない。
部屋にまっすぐきて、隠れてたけどそろそろ飽きてきたな。
「まこと、いつまでこうしてるんだい? こういう間にも魔獣たちは増え続けてるんだよ」
「キュゥべぇは待つのが苦手なの?」
「そういうことじゃないけど、そうだ。下の階でテレビ確認してみるのはどうだい? ラジオだけじゃわからないことも、今は目が見えるんだから他の大事な何かを見つけることもできるんじゃないかな」
「うーん」
 そっか、テレビってそういうものだったよね。聞くだけのものじゃないんだ。それに速報が流れたりするらしいし……。
「わかった、そうだね」
 キュゥべぇのいうことだ。きっと正しい。
だって、神さまみたいな生物だもん。嘘なんてつかないもんね。

どうして、気が付かなかったのかな。
どうして、わからなかったのかな。
わかんない。
 でも、目の前にあるのは現実で、
「あ、あ、う……」
 言葉がうまくでなかった。
 人が、人が死んでた……。
 これって……。
「お母さん? お父さん?」
 女の人と、男の人だった。
 何かを首に巻いて、ぶらぶらと垂れ下がってた。
「ねぇ、お母さん! お母さんなんでしょ!? ねぇ起きてよ起きて! 私ね目が見えるようになったんだよ?」
 身体を揺すっても、私の動きに合わせて揺れるだけだった。
「ねぇ……」
 足の震えが止まらない。
「もしかしてキュゥベぇ知ってたの? だから、下の階にって言ったの?」
 さっきから感じてた視線に振り返れば、部屋の入口でこちらを見てたキュゥべぇと目があった。
「仮にボクがそれを目撃したとしても止めようがないよ。ボクは見ようとする人にしかみえないし、君たちぐらいの少女にしか認識されない」
 無表情のまま、変わらないトーン。
 だからほんとのことのように思えて、
「で、でも私に……いうとか……」
現実を直視したくない私は言葉を探した。
どうにもならないのは理解してる。してるはずなのに変えれない。
「わかっているとは思うけど、ボクは君と一緒にいたじゃないか。それにボクと君があったのはさっきはじめてだったろう?」
 そう、だよね。そうだったよね……。
「冷たい……」
 かつてお母さんだったものに手を触れる。
 これが本当に母親なのか私にはわからない。温もりで判断でき、ない。違う人……かもしれない。

 これが、私が魔法少女になって初めてみた絶望だった。
スポンサーサイト
関連記事
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...



この記事へのトラックバックURL

この記事にトラックバックする (FC2ブログユーザー)


この記事へのトラックバック
この記事へのコメント


管理者にだけ表示を許可する
 




他ブログ情報

ブログパーツ