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R.U.K.A.R.I.R.I | 【まどかSS】迷い
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2012.11.11
鹿目まどかの悩み事。
無理して、第三者視点で書かなくてもよかったんじゃないかと思い始める。


 ――おやすみなさい。
 その言葉を口にしたのは、いつのときのことか。
 ――おやすみなさい。
 その言葉が返されたのは、いつのときのことか。
 真っ暗な部屋の中、電気も付けずに考え続けている少女がいる。それもベッドの上に横たわり、ただ天井の模様を見つめるだけの。
そんな部屋の中を月明かりだけが、時より部屋の中を暗く、そして明るく変化させた。それは雲の上にある月は、雲によって遮られ、いとも簡単に光を消し去ることができるからだった。その月明かりが窓辺から差し込み少女の顔に影を作り、肌を輝かせる。
光が少女を照らす。ピンク色の髪、緑色のパジャマ姿、そして抱き枕としている細長いぬいぐるみが月の前に現れる。その少女は――鹿目まどか。
「はぁ……」
 まどかはため息をつき、長い時間をかけて考えてきたことをまとめようとしていた。
 ――子供って、一体何歳まで子供って言えるんだろう……。大人って、いつから大人なのかな?
 ただ、考えはまとめようとすればするほど、複雑に絡み合いその答えを隠そうとする。袋小路のように入り込み始めようとしていた。
「……」
 その空間を時計の針の動く音が、リズミカルにただ響き続けていた。その時計はまもなく0時ちょうどを指そうと動く。
 そんなことを知りもしないまどかは、
「んっ――」
 めくれたパジャマのしわを伸ばすと、天井へと手をまっすぐと伸ばす。
――天井が近づくたびに大人になる、大人に近づくって誰かが言っていたような気がする。年齢なんて関係なく、気がついたらなっているなんてことをいう人もいる。
そんな考えからだった。
けれども……寝転んでいることもあるが、まどかの身長的に天井へと手が届くはない。
仮に、それができたとしても、
――でも、いつから大人って言えるのかな?
とまどかはまた悩みごとを重ねる。それの繰り返しで、減ることがなく一方的に増大し続けていた。メビウスの輪のように元の場所に戻ってきてしまうのだった。
月明かりが影を作り上げ、天井にうっすらと直線上の闇を作り上げた。それを掴み取るようにまどかは手をぎゅっと握りしめ、
「うーん……」
 と苦難の声をあげる。
 寝ころんだ状態で手を伸ばしても、天井に生まれた影を掴み取れることはない。ただ手の甲が見えるだけだった。握りしめれば、見た目だけは天井に触れているのかもしれない。でも、何も感触はなく、
「はぁ……」
 と深い溜息をはくこととなる。
やがてそれも雲の流れにより月の光が遮られ、見えなくなる。光が何もなくなり、手をベッドへ落とし、
――マミさんはかっこいいし、ほむらちゃんはすっごく綺麗。……あの二人にみたいになるにはどうしたらいいんだろう。
まどかの頭の中に、二人の少女を浮かべた。
大人びている二人にどうしたら、近づけるのか同じになれるのか。
 目の前にある天井になら、タンスなり、椅子なり、机なりを階段のようにつなげていけば辿り着くかもしれない。
でも、そのことと同じように誰かを見習うようについていけば、あの二人のような大人になれるのだろうか?
 誰にでも優しく笑顔が素敵な巴マミ、少し冷たい感じがするけど何か不思議な魅力がある暁美ほむらに――。
ただまどかは二人がどうしてそうなったのか知らない。マミは人を巻き込まないように。ほむらはまどかを守るために。――その理由を知らなかった。今後知る機会が訪れるのかはまた別の問題で、今のまどかは知る術も知った記憶もない。
仮に知っていたとしてもまどかは悩むことになるだろう。他人のために自分を犠牲にすることが、自分の唯一出来ることだと思っているのだから。
だからこそ、悩み続けていた。
――大人になれば自然と誰かの役に立ったり、不思議と誰かのために動いたり出来るようになるんだろうか?
 ――大人ってなんでも出来るんだろうか?
 頭の中にいろんな想いが溢れ、過ぎ去っていく。
 月明かりが雲からあふれ始め、寝返りによってめくれたパジャマを照らすと、
「くっしゅん」
 とまどかが声を漏らした。
 ――おへそ出てた……。お腹壊しちゃう。
 ゆっくりとパジャマを整えるとまた天井を見つめなおす。それは先ほどまで見えていた天井とは違うものだった。窓から差し込む光によって、変化していたのだ。影の作られ方、影の伸び方。数分のうちに変わっていくのを目にする。
 影のように変わっていきたいけど、どうしたらいいのかまどかにはわからなかった。ただ悩むことしか出来なかった。
「んっ――」
 何かの物音に気がついたまどかは身を起こすと、
「ママ……? 帰ってきたのかな」
 下の階から何かの音が聞こえてくる。木の上を歩く音に似ていた。
 ――そうだ、ママに聞こう。
 まどかはベッドから降り、立ち上がるとゆっくりと部屋を出た。

 一階まで降りると、鹿目詢子が椅子に座って何かをしているのをまどかは目にする。
「ママ、おかえりなさい」
 声をかけられた詢子は一瞬だけ驚きの表情を見せると、
「まどかか……、眠れないか?」
 と口元をにやけさせる。手にはコップがあり、まどかはお酒を飲んでいるのだろうと思った。
「相談にね……、のってほしいんだ」
 テーブルの前まで移動したまどかはそう言葉を漏らす。
「あぁ? そっか。言ってみな」
 コップを揺らすと、詢子は頷いていた。
 それを合図に、まどかは椅子へと腰を下ろす。
「ママはさ――、大人になりたいって思ったこと……ある?」
 そして一息つくと、悩んでいたことを吐露するように言葉を出した。
「うーん、どうだろうなぁ。気がついたらってのは嘘になっちまうしな。なりたいからなったわけでもねぇ。でもどうしてそんなこと聞くんだ?」
「えっと……その?」
 両手をグーのように膝の上で握り締めると、まっすぐ詢子の顔を見る。詢子にはそれが言いづらそうに見え、助け舟を出すかのように息を吸う。そして、
「あのな――」
 詢子が一度、口にアルコールを含むと、
「そんなこと考えているうちは、まだまだ子供ってこと」
 真面目な顔で答えていた。まどかはその言葉に戸惑いを感じ、
「そうなのかな? 考えちゃだめなことなのかな?」
 控えめな声を零す。
「いいや、だめってことはないさ。ただ、悩んでばっかりいても前には進めないし、いいことはねぇ――」
 詢子がコップをゆっくりと下ろすと、木製のテーブルが音をたてる。
「だから悩んで悩んで答えを出して、進んでいくんだよ。でも、大人ってのは間違うのが難しくなっていくんだ。子供のうちなら許されることだって、大人だったらもういけないことさ」
「そう……なのかな?」
「前にも言っただろ? 間違え方を覚えなって」
「う、うん。でもね……」
「誰か思い当たる子でもいたか? だったら、そいつは違う」
「違うって……? でも、大人みたいだよ」
「仮に大人っぽい子がいたらな……、そいつは我慢している奴か、隠し事があるやつだけさ。辛いことをした分だけ、大人に見えちまうってこともあるんだよ。そういうやつは同じ風になりたくないから、そう誤魔かすんだ」
「強がり……なの?」
 頭に浮かんだ言葉をそっとつく。
「そう、強がりだ。わかってんじゃん。なら、そいつから本当のことを聞いてみろよ。まどかはそういうことができる子に成長してくれたからな」
 詢子が優しそうな表情を見せ、またコップのお酒を口に運ぶ。コップの中身は半分なくなっていた。
「ママがそういうなら、やってみようかな……?」
「頑張ってみなよ、うまくいったらアタシにも教えてくれよ?」
「うん、わかった」

 数日後、鹿目まどかはキュゥべぇと契約した。
「私……、――になる」
 その契約内容は、誰も知らない。
 キュゥべぇと鹿目まどか本人にしか――。
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