[PR] 一戸建て
R.U.K.A.R.I.R.I | 【まどかSS】訓練
About Circle Board Twitter Link Circle work Mail RSS facebook google+    同人サークル『R.U.K.A.R.I.R.I』のHPです。
ブログ内人気記事

他ブログ及び本ブログ最新記事


2012.11.07
台詞がない杏子とさやかの戦いを書いてみました。
そして言語の理解度のなさを思い知ることになりました……。
しばらく、杏さやを書く予定です。今週中に次のが出来ればいいかなぁと。


 夜遅くのこと――人など誰もいないはずの寂れている学校が、二つの閃光と、その閃光が交わり生じる音によって支配されていた。この光景を目にしている誰か人がいれば、悲鳴の一つや二つ、あるいは奇声をあげたりしたのかもしれない。あるいは何らかのセキュリティーシステムが作動していたのかもしれない。
そんなものがあれば――まさに作動していたに違いない。
窓ガラスが割れ、扉が刻まれ、学校への侵入を拒む正門も崩れ落ち、学校の創設者と思われる銅像は粉砕されていたのだから。それに騒音公害に似た轟音、黒板が爪によってひかれる奇音さえもするのだ。
そんなことが起こったはず、鳴り響いたはずであるのにセキュリティーシステムは幸運なことにたまたま故障していたのか、そもそも取り付けられていないのか鳴ることはなかった。
それは閃光にとっては、唯一幸運だったことなのかもしれない。
閃光が激しく一度揺れ動くと、白く包まれているはずの校舎を赤と青の混じり合った色で彩った。それを眩しい、目障りと感じる人は――、やはり誰一人としていなかった。夜の学校は建っているだけで、不可解なミステリーさを秘め、どこか近寄りがたい雰囲気を醸し出すからなのかもしれない。だからこそ、少年や少女たちは肝試しといったまるで大海原を旅するような度胸試しを行うのだ。
ただここにいる閃光を放つものは――、魔法少女と呼ばれる獣だけはそうは思っておらず、互いの光を消そうとしていた。その閃光はよく見れば、赤と青の炎のような光の渦を纏った二人の少女たちのものだった。それも少女たちの生命の光とも、お互いの魔法力の強さをあらわすもの。
赤い光を持つ少女は、赤い色の上着とピンク色のスカートを着し、赤い光と同様に赤い髪をポニーテールとして結っていた。対して青い光を持つ少女は、青が特徴的な上着とスカートを着していた。さらには白いマントを羽織り、ボブヘアの青い髪にフォルテシモの形をした黄色い髪飾りを身に着けていた。
息を吸うのと同時に、魔法少女たちが校庭を走る。
そして、青い少女はサーベルという青が特徴な剣の形を、赤い少女は先端が三角形で出来た赤い槍をそれぞれ手振り上げる。人のスピードとは違い、まるで自動車に思えるほど素早い動きは大気を騒がす衝撃を生むことなる。その衝撃は風を作り上げ周囲へ拡散するように広がり、また窓ガラスが一枚、二枚と割れていく。
赤い少女のからかう声を契機に、生まれた衝撃波を利用するとゼロ距離まで接近した距離を、魔法少女はお互いに離した。
校舎などの崩壊は、その武器を振り回して、生まれた衝撃、魔法少女が吹き飛ばされたがために生まれた傷跡だった。
そんな魔法少女たちが、それぞれの光、武器を伴い夜の学校を彩るように動く。お互いが次にどう動くか頭の中でイメージし、武器を握り直した。
そして月が雲に隠れることをきっかけに好機と、青い少女が深く足を踏み込ませると校庭に敷き詰められている砂が埃として舞い、校舎の姿を隠そうとする。それは次第に青い少女までも飲み込もうと動く。期待通りの反応に、青い少女の口元が動く。笑ったかのように何かのつぶやくような微動だった。
月明かりに照らされる砂煙は、少女たちの纏う閃光と合わさり、ステージ上にアイドルたちが現れる一種の演出へと変化する。砂埃がビル二階分を埋め尽くすほどまでに拡散すると、それを押し出すかのように青い少女が一振りサーベルを振るった。砂埃は青い少女の意志を汲み取ったかのようにして、ゆっくりと赤い少女へと前進を始める。
そして、一息。
青い少女がこのタイミングと砂埃に自ら足を踏み入れ、土埃を纏うようにして赤い少女へとさらに距離を詰めようと動き始めた。
赤い少女はその行為に対して口元を一瞬だけあげると、槍を月へと捧げるように持ち上げ両手で回し始めた。はじめはゆっくりと回る槍の動きが徐々に人の目には見ることの出来ない速度へと到達する。槍が風をきる音が少しずつ響き渡り始めると――、新たな風が生じ始める。それは徐々に微風から突風へと変化した。
変化し続けた結果、風はまわりの空気を奪う竜巻へと変わり、ついには目の前にあったはずの砂煙は消え去る結果となった。突然の消滅に驚きの声を青い少女は漏らすが、立ち止まることはなかった。逆に足の速度を上げる。勢いが付き過ぎたこともあるが、今更攻撃方法を変えるわけにもいかなかったのだ。
それはお互いが何回、何十回と手を合わせてきた戦友だったからだ。
時に助け合い、時に気づけあった二人だからこそ、お互いの攻撃パターンを把握していたのだ。だからこそ、こうして訓練という名の本気の戦いを、理由をつけて戦っていたのだ。
デザートを取られた、胸を触られた、髪を撫でられた。理由は様々だった。滑稽なものから、真に怒りに触れたものさえある。
 真剣なはずの戦いであるはずなのに、青い少女は笑い、ただサーベルを両手で構え直すとそのまま光速の突きを放つ。幾千、幾万も考えた戦闘方であること、そして念入りに考えた赤い少女への対処法。それを秘めた一撃だった。
 当然そんなことを知らない赤い少女はいつものにようにねじ伏せるために、槍の回転を止め構い直し追撃するように踏み込んだ。
 衝突音が一度だけ響くと――。
 二人の魔法少女はお互いの場所を交換するかのように、お互いを攻撃し終え停止していた。
 振り返り、お互いを賞賛するかのように笑おうとして、――赤い少女が表情を曇らせた。額に生じた痛みと確かに流れる赤い血の気配があったからだった。赤い少女の視線の先には、舌を出し照れながら右目を閉じてウィンクする青い少女が見えた。
 その右手にサーベル、左手には極小のシャープペンシルにも見えるサーベルが握られていた。そのサーベルにはその証拠と言わんばかりに、赤い液体がまとわりついているようであった。
 赤い少女が口をとがらせ文句を言おうとしたが、その前に青い少女に抱きしめられていた。
「いつもありがとう」
 
――今夜の戦いはこうして、終わるのだった。
スポンサーサイト
関連記事
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...



この記事へのトラックバックURL

この記事にトラックバックする (FC2ブログユーザー)


この記事へのトラックバック
この記事へのコメント


管理者にだけ表示を許可する
 




他ブログ情報

ブログパーツ