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R.U.K.A.R.I.R.I | 【まどかSS】ほむらの見る夢~儚~
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2012.10.27
まどほむという形でつくりあげてみました。



zxuさん(Twitter)の『まどマギSSイメージイラスト化企画』を機会に、水凪工房Twitter)さんからイラストを頂きました。


水凪工房さん


可愛らしいメガほむありがとうございます。励みになります!





日差しが力強く地面を照らし続けていた。そのために生じる蒸し暑い熱気と日差しのために日傘をさす人や、汗をびっしりとかきながらも汗を拭う人が、中にはいた。全くそんなことをお構いなしに歩く人も当然いる。
そんな太陽の光がアスファルトを熱して、ポカポカという暖かい空気を作り出している時間帯。
赤縁のメガネフレームが特徴的な黒髪の少女が、歩道の右端をひっそりと隠れるように進んでいた。黒髪の少女のメガネは逆ナイロールと呼ばれる下側でレンズを支えるフレームで出来ており、髪は三つ編みで先端を紫色の髪留めで結っていた。
そんなメガネの少女がひと目を気にしながら警戒していくその姿は、人によっては異質に見えるかもしれない。どちらかといえば、ストーカーに近いように思われるかもしれない。
それは――男の人が近くを通るたびに、逃げるように電信柱の後ろに隠れていたからだ。そこから少し顔を覗かせ、その様子を伺っていたのだ。電信柱に擬態するかのように、
――怖い。
という感情を抱きながら。
ただメガネフレームそのものが赤いため、電信柱の側にいると非常に目立つことを本人だけは気がついていない。自分で今の自分を見ることができないから仕方がないことではあるが、黒髪の少女が仮に知っていてもおそらくやめようとはしない。そうしないと怖いし危ないと思い感じ取っているからだ。
こっそりと、黒髪の顔を電信柱の後ろから少女が出すと、
――行ったかな?
注意深く見渡す。そして、誰もいないことを確認し終わった瞬間、忍び足で少しずつ前へと進む。
黒髪の少女が隠れながら目指していたのは、鹿目まどか宅。
そこに至るまでの歩道を黒髪の少女、暁美ほむらが、ゆっくりとではあるが確実に目的地に向け歩いていた。進み続けている。
さらさらとしたツヤのある長い三つ編みである黒髪が、その度に揺れる。その髪の毛を綺麗と思い、目を配る人もいた。それと共に黒一色のフリルがついたドレスを羽織る姿を不思議な格好と凝視する人もいた。見慣れないものには人は注目するからだ。
そんな視線を浴びながら、ゴシックドレス風な衣装を纏ったほむらは茶色のブーツをコツコツと音を鳴らし続けている。加えて黒いストッキングでそのブーツで隠せない素足が露出するのを彩っていた。
視線があるからこそ、余計に隠れるということを繰り返してもいる。音がなる以上、人が気づかないわけはない。普通の格好であれば、その聞こえてくる音は雑音となるかもしれない。日常音となりうるものなのかもしれない。
――?
視線があろうとなかろうと、ほむらはその衣装を脱ぐわけにはいかなった。音が鳴ると言ってブーツも履かないわけにもいかない。それはまどかがプレゼントしてくれたもの。泣くほどに嬉しくて、今では大事なものと感じるものだった。
生まれてはじめて出来た友だちで、尚且つはじめてのプレゼントということもあり、鹿目家にいく時は必ずこの衣装、この靴をほむらは身に着けていくのだ。身に着けていけば、まどかが笑ってくれるような錯覚も、事実もあるために。
そのために自らの難易度を上げていることは気にする余裕も、対処できる余裕もなく、
「わわわっ」
 と隠れ続ける。
 ほむらは単純に人と接することがちょっと苦手だったのだ。
だから、電信柱に隠れるのとは別に、人とすれ違う時は、
「あぅ……!」
五メートルほど明らかに離れて歩く。男の人がいれば、電信柱に。それ以外の人物であれば距離を取る。そんなことの繰り返しをしていれば、当然のように本来五分で着く距離であっても、十分、三十分、一時間となっていくのだ。だからこそ、ほむらはもう歩き始めて数時間も鹿目家へ向かう戦いを続けている。
「……はぁ」
 こうしてため息を吐き続ける結果ともなっている。一行に進む気配がなかったからというのと、何もなかったという安心感と、叫び声を上げなかったという自制心のあらわれであった。
そのこともそうなのだが、その表情はどこか不安を感じるそんな暗い表情をしていた。それもそのはずであった。こうして外を、人気を避けながら歩いて行くということもあるのだが、
――なんだろう?
ほむらは、大変なことがあるからと鹿目まどかに呼び出されていたからだ。普段からまどかの近くにくっついているほむらにとっては、不思議に感じることだった。いつも何も困惑せずに進んでいく鹿目まどかが一体何を悩むことがあるのかと。
だからこそ、大変なことが起きるはずもないというほむらの決めつけだった。そう考えていても、大変なことは日常的に起こることも多々ある。宿題を忘れた、寝坊した、財布を忘れたなどだ。
ということもあり、その表情は無意識な不安のあらわれという意味も持っていた。
「はふぅ……」
別に大変なことでなくとも呼ばれたら、迷わず行ってしまうほむらであった。そんな思惑があろうとなかろうと、一歩一歩と鹿目家に向かうことに変わりない。
乱れていた呼吸を少し整えると、
――大変なことってなんだろう。もしかして、何か重い病気にでもかかって……?
表情を曇らせながらも、少しずつ鹿目家の全貌がほむらの視界の中に写りこんだ。何度も足を運び、何度もお世話になっている家である。最近は、まどかの弟タツヤにも名前を覚えられ『ほのら、ほのら』と呼ばれるようにまでなるぐらいだ。
「はふぅ……」
そのため、タツヤに何かあったのか? という考えも浮かんで消えた。行かなければわからないし、行けばわかるだろう――と。


「……っ!」
 鹿目と書かれた表札の前でほむらは、ただ震えていた。表情には先程まであらわれていた不安という色はなく、紅潮といったほどに頬が染まりつつある。家の中にいる人に来客を告げるには、単純にインターホンを押せばいいだけなのだが、ほむらは緊張して動くことができないでいたのだ。
「んっ――ふぃ……」
これで何度目のことなのかはわからないが、何度も同じようにこうして押せないでしばらく立つことが度々あった。そのたびに、何度も深呼吸して、自分を落ち着かせ続けてきたのである。
 そして、心の中で 押せば話せる。押さなければ話せない。大丈夫、大丈夫と言い聞かせるのだ。
「ふぅ――」
 日常会話ですら、少しの勇気が必要なほむらにとって、直接人と話すわけでない機械的な会話は苦手の分類である。そのため、電話をするときであったとしても長時間に渡る精神集中が必要。
そのためなのか、最近は携帯電話のメール機能を活用することがうまくなりつつある。まどかからの連絡もメール連絡だった。とはいっても、そのメール機能も手を若干ではあるが震えさせながら打つものになっていた。
ほむらにその大変な知らせがきたのは前日のことだった。
『ほむらちゃん、明日時間あるかな? あるなら来てほしいな。とても大変なことが起きたんだ』
というメールがきたのだ。
病院に行く予定も珍しく入っていなかったため、ほむらは直ちに
『大丈夫です。行きます』
と簡潔にメールを返したのだ。
そして、その大変なことがある鹿目宅でほむらは、
「よしっ」
 と自分を震え立たせると、そのボタンを押す。
 家の中から押されたという証拠である甲高い呼び音がほむらの耳に入る。そして、しばらくすると
「あっ、ほむらちゃん? 早かったね」
扉を開け笑顔のまどかが部屋着姿でそこにいた。


――なんだぁ……。
と部屋についたほむらは安心感を得ていた。それは、
「ねぇ、ほむらちゃん今度はこれつけてみて!」
 大変なことというのは、まどかの最近の趣味になりつつあるほむらの衣装合わせであったからだ。
笑顔のまどかから、ほむらへと紫色が特徴の派手なメガネが手渡される。ハート型のパーティ用に似ている形を取っている。
 ほむらが鹿目家にやってくるときに着てきた服もまどかがほむらのために選んだものであった。
ただ――プレゼントと言いつつも何着も既にほむら用の服がタンスの中にぎっしりつまっていることを、ほむらは知らない。知っているのは、一緒に買物に出かけ選んだことのある巴マミ、美樹さやかの両名だけだった。
「う、ん」
まどかに言われるがままに、赤のメガネを外し手渡されたものをつけると、
「あっ――」
と驚きの声をあげる。
「これって……度が入っているの?」
 外したメガネと同じくぼやけていない世界が受け取ったメガネから見えたのだ。何で度数が入っているのという疑問と、何でぴったりの度数なのという疑問を吹き飛ばすかのように、まどかが言う。
「うぇひひ、そうだよ。折角買うんだもの、使えなきゃ勿体ないでしょ?」
 確かに勿体ないのかもしれない。でも……、
「で、でも――」
 お金がかかると言いかけたほむらを、
「大丈夫だよ、ほむらちゃん」
 ほむらの口に右手の人差し指を当てたまどかが優しく笑う。
「たいした金額じゃなかったよ? 割引で1000円くらいだった……かな?」
「えっ……、そうなんだ」
 自分が知っている値段と違うとほむらは思うが、まどかの言うことなので大丈夫だと考えを改める。
「じゃぁ、ほむらちゃん。次はこれに着替えて――」
「これって……」
「可愛いでしょ? ほむらちゃんなら似合いそうかなぁって、マミさんと一緒に選んだんだ」
 そういえば、最近巴さんと一緒に出かけているというのを美樹さんから聞いたことがあると振り返るほむらに、
「はいっ!」
 と満面の笑みをこぼすまどか。
「えっ――」
まどかが広げる衣装は、白黒のドレス。しかもフリルがたくさんついたものをまどかは持っていたのだ。ほむらが着てきた服よりも明らかにファンシーというよりかは、日本だと異質に見える服装だった。
ほむらが疑問になりながら、
「これって……」
とまた困惑の声をあげる。私に似合うのだろうか? という疑問が浮かんだのだ。着なきゃいけないの? という小さな疑問は何回目かの時点で既にほむらの中から消失していた。慣れたということもある。
手伝ってあげようか? とほむらのすぐ後ろへと移動したまどかが、ほむらの着ている服を脱がすべく、手をすべらせほむらの身体に触れていく。肩から指先がするりと、背中、お尻、ふとももへと動く。優しく温もりが流れる。
その指使いがほむらの身体を敏感に刺激し、
「んっ……!」
とたまらず声をあげるほむら。
「どうかしたの? ほむらちゃん」
 そのことをわかっているのかわかっていないのか、笑顔のままのまどかがひたすらに手を動かす。その指使いはそのままの動きでストッキングをゆっくりと下へずらす。
脱がす必要のないストッキングを太ももまでずらしゆっくりと、ブラウスと一体化しているスカートを持ち上げ、ほむらの純白のパンツが見え始めようとした時、
「じ、自分で着替えますっ!」
 まどかの拘束をたまらず立ち上がると、顔をトマトのように真っ赤に染め上げてほむらは急いで部屋の外へと駆け抜けていった。ストッキングの位置により一度バランスを崩し、前に倒れたことによってパンツの形、色が完全にまどかに見られようとも逃げるように出ていった。
「やりすぎじゃったかな?」
 部屋に残されたにやけたままのまどかは、静かに散らかってしまったほむらの服を整頓し始めるのであった。その数は実に五着にもなる。


「ほむらちゃん、やっぱ可愛い!」
「ふぇ――」
ほむらは用意された衣装に着替えて、まどかの部屋に入った途端に抱きしめられていた。頬と頬がぶつかるのも構わず、すりすりとこすりつけられている。
「み、みゃどか! っあ――」
顔を紅潮に染め上げたほむらが悲鳴をあげようとしたのを、一瞬にしてまどかが――で封じる。
「えへへ」
 まどかは顔を離すと自らも顔を染めていた。
「ま、まどかぁ……」
突然のことにとろんとした表情をほむらは見せ、顔をまた寄せようとすると

 ――夢を見ているところ悪いんだけど、そろそろキミのいうワルプルギスの夜がやってくるよ。

 何かの声に遮られ、全てがくずれ歪んでいく。
「えっ……まどか……?」
 ほむらの絶望する声も虚しく。
真っ暗な世界が生まれ――
 ほむらの前に、白の生物、インキュベーターがこちらを見つめているのであった。
「どうかしたのかい――?」
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