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R.U.K.A.R.I.R.I | 【まどかSS】僕がボクなっていくまで
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2012.10.20
魔法少女がキュゥべぇになりたいと願ったら、どうなっていくのか的な内容です。 


新刊作成の合間の脳内語変換。

 僕が奇妙な夢を見始めたのはいつぐらいだったのだろうか?
よく覚えていない。
気が付いたときには毎日のように同じものを見ていたから。嬉しくも楽しくもあったから、良かったということなのだろうけど。
この夢は不思議で、怖い夢とか嬉しい夢はよく忘れていたのに、朝になっても夢の内容を覚えていた。はっきりと正確に何がどうなっていたのか完全にわかっていた。はじめはたまたまなのだろうと思っていたけど、どうしてか連続で同じ夢を見るようになってからは、不思議にしか感じられなかった。
どうして、同じ夢を見るのか。どうして、覚えているのか。
そんな疑問も浮かんだけど、割とどうでもよかった。夢の世界はとても面白かったから。奇妙でも毎日見ても僕にとって、気になることをやめるくらいだった。
夢はまるでファンタジー世界に迷い混んでしまったかのようだったから。いわゆる夢の国のようなもの。それも魔法と云う力がある世界。
僕はその世界では、魔法を与える賢者様みたいな役目を負っていたのだった。うーん、かっこよく言ってみたけど、多分違うかも。賢者様っていうと、お髭が長いお爺さんのイメージだし。僕のお祖父さんも白くて長いひげを生やしている。
僕は偉そうでもなんでもないし……。それに、
「……」
夢の中の僕は小人になってしまったかのように、目に入る世界は大きくなってしまって。あと……、手は獣のようにふさふさの毛で覆われていた。色は白でつやつや。爪だって、僕の知っている爪の形じゃなかった。鋭くて長い。何かにぶつけたら穴が空きそうだと思った。
だから、犬か猫にきっとなってしまっているのだと思った。毛並みからすると、凄い名前の動物なのかも。その証拠に四足じゃないときちんと歩くことができない。
ニホンオオカミさんなのかな? 絶滅したみたいだけど、見たかったなぁ。
「……」
何の動物だかわからないけど、夢の中の僕の仕事をしようと足を動かし始めた。
今日も同じように、困っている女の子を探すの。
そんな女の子と僕は、契約して何かよくわからないものを満たす。お腹の減りなのか、楽しいって気持ちなのかはよくわからなかった。だけど、満足するだけはわかっているの。お腹一杯になるのと何か似ていた。だから、僕は美味しい物だと勝手に名付けた。
とはいっても、身体は勝手に動くし、知らないことを話すしで僕が、僕じゃないみたい。
「契約成立だ。キミの願いはエントロピーを凌駕した」
今日もまた女の子が発光色を放つと、へんな格好に変身した。可愛いとおそらく言うのかもしれない。フリルとかリボンが一杯だし。僕はあまり好きになれない。
特にスカートなんて、涼しいだけで動きにくい。学校だと制服と言って、スカートが義務付けられているのが正直面倒くさかった。どうして、男の子に生まれなかったんだろう……。
だからなのか、全裸のようなこのモコモコした夢の姿は動きやすかった。夢にそんな感覚があるのか、わからないけどね。
女の子が僕と契約したので、おそらく今日の夢も終わりが近い。夢の終わりはよくわからないけど、花火みたいな強い光が地上で上がるの。
それは契約した時以上に、すごく綺麗で、何だかお腹が一杯になるの。

女の子が魔女と呼ばれる怪物と戦っていく。僕はそんな女の子を何度も見てきた。今日は、契約したばかりの女の子のデビュー戦だ。よく見てみれば、小刻みに肩が揺れていた。緊張しているのかもしれない。
僕は見ているだけだから、何とも思わないけどやっぱりあんな怪物と戦うのは怖いのかもしれない。でも、魔女に対して何も感じないのはどうしてだろうか。女の子を見るのと魔女を見るのは違うはずなのに、僕にとっては同じ物を垣間見ている気がした。
「キミなら大丈夫さ、ほらやってごらん」
 女の子を心配するような声がした。無論、喋ったのは僕なのだけど。
「――!」
 その声を聞いたからなのか、落ち着いた様子を女の子は見せる。声をかけられるだけでもリラックスできることがあるとかって、そういえば学校で聞いた気がする。
 剣のようなものを女の子が召喚すると、それを掴みとり魔女へと一直線に突っ込んでいった。あれだと弾かれてしまうんじゃ? 予測通りに女の子は魔女が召喚した触手によって、弾かれ壁に叩きつけられる。
 何をしているのだろうかと思う。さっさと倒してくれよと。
「大丈夫かい? 痛みを感じないと考えれば多少はまともに戦えるかもしれないよ」
 アドバイスを聞いたのか、表情を暗くした女の子が足元をふらつきながら魔女へと歩いて行く。当然、女の子を近づけないようにさっきと同じように触手攻撃してきていた。女の子はそんな攻撃がきてもお構いなしに歩いて行く。この賢者様いわく、もしかすると痛みを感じないのかもしれない。
 そして魔女を倒すと、白い閃光を放つ花火が僕の視界を満たした。
 ――気持ちいいというのと、天国まで上りそうなぐらいに満たされた感覚に包まれていく。
「きゅっぴぇい」
 夢はとても、居心地がよかった。
 
「………?」
夢のことを誰に喋っても、みんな信じても聞いてもくれない。学校でなぜか変なことをいう奴だとレッテルのようなものを言われるようになった。変人、奇人、怪人と言葉責めを受けるようになった。
これがいじめなのか? でも、僕はおかしいことは何も言っていないのだけど。
「……!」
お母さんでも、親友のみっくんでも。一生懸命丁寧に、本当のことだよと言っても信じてもらえない。頭がおかしくなった、病院に連れていくなど言われる始末。
夢だから?
まぁ、夢だし仕方ないよね! 僕も話しかけられたら同じ反応しちゃうかも。
とはいってもさ、だんだんと話しているのが馬鹿みたいに思えてきた。誰も聞かないなら話す意味もないし……。話しても、馬鹿にしたみたいに鼻で笑われるし、無視される。
だからじゃないけど、僕は夢の世界の方が充実しているような錯覚を受けるようになっていた。夢の世界は僕を満足させてくれる。

女の子が泣いていた。騙されたと泣き叫んでいた。
何を言っているのだろうかと思った。
こっちはせっかく、契約してあげたのに文句をいうなんて頭がおかしいんじゃないのか? なんて思う。
「ボクはそんなつもりもないんだけど」
 夢の中の僕も同じ意見のようだ。当然かもしれない。夢であっても、僕は僕なのだからね。
 だから、さっさと花火となって僕を満足させて欲しい。そのために契約してあげたのだから。それ以外に困った女の子たちを救う意味なんてどこにもないと思う。
 だって、誰も僕の話を聞いてくれないし、無視して病院に連れて行こうとする。そんな奴らの方が頭おかしいんじゃないの? みんな花火みたく消えちゃえばいいんだよ。契約してあげるからさ――。

 僕の視界には何もなくなった。家も友達も家族も何もなくなった。
何も感じない。
でもあんなに美味しいものが味わえるなら、誰がいなくなったって、誰が泣いたって、誰が苦しんでも関係ないか。
僕にとっては、感情なんて美味しいものに比べたら不必要。
面白いも楽しいもいらない。
――満たされるなら、他はいらない。

……美味しいものを食べ過ぎたせいなのか、いつしか夢は現実に変わっていた。
僕はボクの意志で、夢の世界を歩けるようになっていたのだ。それが一時間、五時間と過ぎても目が覚める傾向はなかった。
「どうして、君たちは魂のあり方に拘るんだい?」
 どうせ消える奴に何をいっても無駄なのだろうけど、ボクの口は弁解を求めていった。そうすれば、また契約できるし、美味しい物を食べられるから――。
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