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R.U.K.A.R.I.R.I | 【まどかSS】贈り物
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2012.10.07
地文が多いので、出来るだけ会話文だけで進ませようと考えた杏さや。
昨日から劇場版まどマギ放映中みたいですね。私もそのうち見に行きたいです。


 シャーペンで歴史の重要ポイントをノートにまとめていると、
「なぁ、さやか。それ取ってくれないか?」
 沈黙状態だった杏子が、声をいきなりかけてきた。
「それ……? シャーペンのこと?」
 ちょうどシャーペンで勉強をしているし。目の前には他にもたくさんのものがあるけど、それに近いのはシャーペンかな?
「違う、んなものはいらない。それだよそれ! わかるだろ?」
「いや、わかんないし」
「なんでだよ、それだって……! 勉強道具の話じゃない」
 消しゴムでも違うとなると……。ってか、なんであたしがそれだか理由のわからないものを渡さないといけないの? 少しむかついたあたしは、
「はっ? 何の話? あんたが言ってるのがどこにあるのよ」
 勉強に集中するように意識を教科書へと向けた。
「そこらへんに落ちてるだろ、あれしてこれするやつだよ」
 どういう意味なのよ! あいつの言葉が耳から入ってくるせいなのか、考える力をどっと持ってかれる気がする。抽象すぎて余計に頭に残る。あれ、それ部屋にあり過ぎてどれだかわかんないって。
「それだよ、さやか。早く取ってくれよ!」
 杏子が怒鳴り声をあげたので、
「えっ??」
 びっくりして振り返り、それというものを探してみてもわからなかった。そもそも杏子の後ろ姿からは、一体何を杏子がしているのかわからない。指をさすということすらしていなかった。特徴ぐらいいえばいいのに……。
 そもそも言葉がわからないなら、最悪指で指しなさいって……。
「それね、それね」
 相変わらず、こいつは口だけで……。
「だから、どれだって……!」
 杏子がすることといえば、お菓子を食べることと漫画を読んでるかの二つが大抵なんだけど。耳元に入ってくる特徴ある音がない。ってことは違うことをしてるわけ?
「ねぇ、あんたささっきから何しているわけ? それって言われてもわからないんだけど……」
「うん――、それはそれっていうしかねーからさ」
 意味分かんないし。
「あ、それとな。こっちくんなよ?」
「はい?」
 行くのも何もこっちは勉強中だってのにさ……。
「あ、やっぱいいわ。なんとかなりそうじゃん」
「あっそ……」
 なら呼ぶなっての……。
「はぁ、いいくにつくるか……」
 やっと静かになると思ったのもつかの間、
「できたっ! なぁ、さやか! さやか!」
 大きな音が後ろでする。
「今度は何?」
 振り返って見えたのは満面の笑みだった。
「うっ……」
 一瞬可愛いと思った考えを忘れるようにして、
「で、何が出来たって?」
「これなんだけどさ、さやかちょっと手を出してくれないか?」
 ステップを踏みながら杏子があたしへ近づいてくる。
「? 別にいいけどさ」
 一体なんだろうと杏子の目の前に手を差し出すと、その上から勢いよく落ちてきた。
「こ、これって――」
 手の中に置かれたのは、不出来なアクセサリだった。音楽のフォルテシモの形をした金色の――。
「ヘアピン?」
「マ、マミのやつにさ、作り方教わって……。あのな、その……」
 杏子がもじもじとしながら、頬を紅潮させていく。もしかして、柄にもなく照れているの?
「あははは」
「なっ、なんで笑うんだよ! なら、返せよ!」
 杏子が手を伸ばしてきたので、間一髪で回避する。
「いやだよ、貰ったんだから返さない!」
「いいや、返せ! やっぱり! もっときちんとしたやつに……やっぱりしたいしさ。もらうならもっとよく出来たほうがさやかもいいだろ?」
「いいよこれでだって――杏子が一生懸命作ってたんだから」
「……なっ! な、なら仕方ねぇーな。さやかが欲しいってならあげてもいいぞ」
 あたしはそれを姿見で急いでつけると、
「ど、どうかな?」
 杏子の前へと立つ。
「う、うん。やっぱ、さやかなら似合うってそう思ってた」
 きちんとあたしの方を見ず、キョロキョロしている杏子。頬も先ほどよりは紅潮してはいないにしても、薄くかかっていた。それが余計に可愛く見え、
「ありがとう、――杏子」
 あたしが出来る最大の笑顔で、答えてあげた。
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