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R.U.K.A.R.I.R.I | まどか☆マギカ 魔女合同誌 Die Hexenslieben ~アイノウタ~ サンプル
About Circle Board Twitter Link Circle work Mail RSS facebook google+    同人サークル『R.U.K.A.R.I.R.I』のHPです。
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2012.08.16
魔法少女まどか☆マギカ 魔女合同誌に参加させていただきました!

Die Hexenslieben ~アイノウタ~

8/26に大田区産業プラザPioで開催される
まどほむオンリーイベント『私の最高の友達2』(http://sdf-event2.sakura.ne.jp/mh/)
杏さやオンリーイベント『一人ぼっちは寂しいもんな3

こちらの作品を配布予定です。

参加者
彼方リョウ、アオスギ、謎のザコ、日宮理李、影月、鍵屋

作品は下記サークルスペースで入手可能予定となっています。
浜辺の散歩道 まどほむ SP-No.17
indigo Note 杏さや SP-No.24
R.U.K.A.R.I.R.I  杏さや SP-No.32

下記、私の作品サンプルになります。
他の同人作家さんの作品については、公式HPよりたどっていただけると幸いです。


現実と夢の羅針盤

「ほむらちゃん。わたし……、決めたよ。魔法少女になる」
 私の部屋に来たまどかが呼吸を乱しながらそう言った。……それもまるで死刑宣告のような言葉を執行するかの如く、迷いのない勢いのある声で――。
「えっ……?」
 玄関を警戒もなく開けた私はドアノブを掴んだまま、まどかの姿を見つめるしかなかった。
――言っている意味がわからない。思考が追いつかない。
まどかが訪れたのは太陽の光がなくなり、闇が支配し始める時間だった。そのせいかこの闇は、まるでまどかが創りだしたのかさえ……、私には思えた。
「えっ……どうして!」
 やっと、声を出すことは出来たが、はっきりとその言葉を作れたかわからない。別の言葉になっているかもしれない……。
「どうして……」
あと数日のうちに、ワルプルギスの夜がこの街へやってくるというまさにこの時期に、まどかは時限爆弾のスイッチを私へと押し付けてきた。それも『オン・オフ』できるものなんてものじゃなくて、『オン・オン』のボタンしかないそんなものを――。
たった一人で見えない闇の中をここまで走り、どうするかを迷い抜いてやっとここまで一直線で来てくれた――、来てくれたのかもしれないけど……。
――どうしてこのタイミング……なの? 美樹さやかが魔女へと堕ちて、佐倉杏子が犠牲となって、まだ数日と経っていないのに……。どうして――。
「なんでなの……まどか。あなた一体……何を?」
 不安が自然に私の口を動かしていた。沈んだ私の表情はきっとまどかには見えないだろう。今の私の顔はきっとひどい顔をしている。
魔法少女になる前に、一度まどかに見せた暗くてひどい顔を――。
……この世の全てを否定してしまったあの頃の私の姿を。
「……どうして――、まどか」
 私の問いにまどかは答えてくれない。――ただ、笑いかけてくる。それが事実であって、嘘でないと包んできてしまうようなそんな印象さえ与えてくる。
「ねぇ……?」
――完全に日は沈んでしまった。私を照らすものは何もない。私を照らしてくれるはずであるまどかの笑顔はもう――、私を照らすものではなくなってしまったから。
「ぅ……!」
俯く、ただそれだけしか私にはできなかった。まどか本人に固い意志が生まれてしまった以上、インキュベーターの行動を阻止しても無理。……そう考えるしかなかった。
 まどかは今までの出来事を見てこなかったのだろうか? 美樹さやかが魔法少女という絶望に捕らわれ魔女となり、それを救えるものだと錯覚した佐倉杏子はその生命を美樹さやかのために落とした。私たち魔法少女がどんな存在であって、結果的にどうなってしまうのかを十分にまどかはもう知っているはずなのに。
 なのに――どうして、その答えを選んでしまうの? 一体何を考えているの?
「……どうしてなの、まどか――」
 言葉をうまく作ることが出来ない。私の脳内でその理由を探してしまっているからかもしれない。でも……、私の問いにまどかはただ笑うだけで答えてくれない。
 ……唯一救いがあった……というのか、この世界がいつもの世界と違ったのは、――巴マミ。彼女の存在が消えなかったことだろうか。その存在感がまどかの支えとなって、これまで魔法少女にならなかったとも言えるのかもしれない。だけど……、だけど今更になってなぜまどかがこんなことを言ってくるのか私にはわからない。
――巴マミに何か言われたのだろうか? いや、違うだろう。
巴マミは言ってくれた『もう少しでわたしは、取り返しのつかないことをしてしまうところだったわ』と。あの全てを包み込む明るい表情を持った同じ人とは思えない暗い表情。そんな顔をしながら、私へと嘆くかのように語ってくれた。
お菓子の魔女の攻撃から救ったあの時から巴マミは、まどかから……まどかたちから距離を取るようになった。話しかければ話す、話したいと思えば話す。でも、前みたいに魔法少女の戦いに巻き込もうとはしなかった。――九死に一生を得たからかもしれない。それに巴マミが抱えていた孤独の問題を、私といることで回避できたから。
だから、まどかたちに『魔法少女にならない?』と誘わず、ただ黙々と私と共に魔女と戦うこととなった。それでも美樹さやかが魔法少女になるのは止められないでいた。
美樹さやかは他の魔法少女と違って、回避できない理由があるから――。
「それは本当のことなの……? ちゃんと決めたことなの? だって、それは……!」
 全てを失い、人間という存在ではなくなるってこと。
「わかってる。わかってるよ、ほむらちゃんがそれを絶対望まないってことは。なんとなくだけど、どうしてほむらちゃんが今までこうしてわたしを守ってくれてたか。その答えが今になってわかってきたから」
 顔をあげると、まどかが真剣な眼差しを向けていた。その言葉に嘘偽りなど入っていないと示すかのように――。マンションの廊下の照明が点滅し始めるとまどかを照らした。その光はまるでまどかが言っていることが正しいと宣言しているように見え、目を向けることが出来ない。
「……っ」
 何も答えられなかった私をまるで気遣うようにまどかは『今までありがとう』と一言口ずさむと、深くお辞儀をしてその場を駆け抜けていった。
ただまっすぐ出口へと向けて――。
「あっ……、ま、まどかぁ!」
 手を伸ばせば、まだ届くかもしれない。届くかもしれないのに、私の身体は動こうとは決してしなかった。
まどかの背中を消えるまで、私はただその場で眺め続けていた。

☓ ☓ ☓

 それから、しばらく何も変わらない日々が続いた。ワルプルギスの夜に対抗しうる装備や準備は整え、至る所に隠した。普通の人間なら気づくことはまずないだろう。それに加えて人に害なす、使い魔、魔女は巴マミの協力を得て、全て倒してきた。
「ふぅ……」
 今日もまたその内の一体を倒したところだ。
――ここまでは何も他の世界と変わらない。変わらないのがおかしいぐらいに何も変わっていない。あのまどかの宣言はなんだったのだろうか? 
――私には……わからない。時を戻るためにはまだ日数と時間が足りない。魔法の砂時計はまだ使えない。だから、まだやり直すことができない。
「まどか……」
 銃を魔法でしまうと、彼女のことを考えた。漏らした声のせいか巴マミが不安そうにこちらを振り返っていた。だから、『何でもない』という意味で首を左右に振った。
そして魔法少女の姿から、見た目は普通の女子学生の姿へと戻った。巴マミはそれを見てから、一度こちらに頷くと何事もなかったかのように出口へと歩いていった。その後姿には、以前のような明るさはやはり感じられない。
「……」
 ――それは私も同じかもしれない。まどかの宣言が私の中に戒めのように疼く。
 巴マミと今度会う日は、ワルプルギスの夜が来るその日。きっと、その日も来てくれるだろう。
「まどか……」
 ――鹿目まどか。最強の魔法少女になる少女にして、最恐の魔女になる悪魔。そのまどかは以前と何も変わらないように私と接してくれた。こちらが逆に戸惑いを覚えるほどだ。
 まどかは魔法少女になったのだろうか……?
 それは巴マミに聞いても、『知らない』と言葉を返され。聞くのはとても嫌だったけど、インキュベーターに聞いても、その答えは『わからない』だった。むしろ、彼らを喜ばせる結果となった。嫌悪したが、そのことを聞いた以上私がいけないのだ。
調査しても期待した答えは得られなかった。でも、彼らインキュベーターが知らないというのだから、まどかはまだ魔法少女じゃない……はず。それだけはわかったから、良かったのかもしれない……。
――だけど、それが真実かどうなのか、――わからない。
「……っ」
一番確実であるはずなのに………、本人にそのことを確認する勇気を私は持っていなかった。
……怖かった。ただ、――怖かった。
いつものように話しかけてくれるまどか。――その暖かい眼差しを感じられる関係が壊れてしまうんじゃないか……、ただ不安だった。この世界のまどかはあの世界のまどかじゃないって、わかっていても私の中の『まどか』は変えることができなかった。
「まどかは魔法少女になっていない……の?」
 言葉にしても真実はわからなかった。名もない廃ビルの瓦礫のように掠れて消えていく言葉にしかならない。何もない威圧感が私を強く締め付けた。
「まどか……」
ただ、困惑度合いが強く濁る結果になっただけだった。誰も知らない。答えてくれない。一人知っているはずの少女に聞くことすらできない私は、昔の私のままだった。
「……」
 私を嘲笑うかのようにただ風が――、吹いた。

☓ ☓ ☓

「ほむらちゃん……?」
 ビルの屋上へと叩きつけられた痛みから私を呼び起こしたのは、まどかの悲しみの声だった。瓦礫から起き上がり耳をすましてみれば、ずっと遠くから聞こえる。この戦いをどこかで見てくれているのだろうか?
「まどか……!」
それだけで私は胸の奥が締め付けられた。今すぐにでもその声から感じる不安を取り除いてあげたい。抱きしめたい。温もりをすぐ側で感じたい。
「ぅ……!」
 でも、それは無理だった。私は魔法少女で、まどかは魔法少女じゃないから。――まどかが魔法少女になることを阻止するために……私は、戦ってきたのだから。
「くっ!」
 ワルプルギスの夜はそんなことお構いなく攻撃を続けてくる。魔法少女……、――私たちを殺すために。痛覚を可能な限り消して、私は壊れたビルの屋上から起き上がる。
血を流しすぎたせいなのか少し身体の調子がおかしい。足元がふらつくような感覚がする。だけど、普通なら倒れてしまう傷でも、出血でも動けなくなることはない。生きるゾンビ、それが私たち魔法少女なのだから。
 でも、今はそれが少し嬉しい……。まどかを守れるから。この災厄からまどかを救ってしまえば、もうまどかが魔法少女になることなんてないのだから――。
「休ませてはくれないようね……当たり前……か!」
目の前にはワルプルギスの夜によって投げられたのだろうか、ビルの残骸がこちらへと近づいてくる。軽機関銃を取り出して、私はその場を思いっきり踏みつけ飛翔する。まっすぐ、ワルプルギスの夜へと向かう。
「ひどい……」
 そして、飛翔しながらそれに向けて乱射する。
「仕方ないよ。彼女たちでは荷が重すぎた」
「そんな……あんまりだよ。こんなのってないよ」
まどかだけでなくインキュベーターの声まで聞こえる。当然か……、この絶望的な状況であれば、まどかが魔法少女として契約する可能性が高い。
「諦めたらそれまでだ。でも、君なら運命を変えられる。避けようのない滅びも、嘆きも、全て君が覆せばいい」
いけない! インキュベーターの誘いが聞こえる!
「まどか、そいつの言葉に、耳を貸しちゃダメぇ!!」
 ワルプルギスの夜の攻撃を回避するその一瞬で、まどかたちのいる場所がわかった。ここからは、時間を数回止めなければ到達できない……。
「その為の力が、君には備わっているんだから」
 その場所に行けるはずであるのに……、私は行くことさえできなかった。攻撃を回避するために『時間を止める』猶予しか、ワルプルギスの夜は与えてくれないから。
「騙されないで! そいつの思う壺よ!!」
 こちらの声は届いていない……。インキュベーターが声を意図的にシャットアウトしているのかもしれない。
「本当なの? わたしなんかでも、本当に何かできるの? こんな結末を変えられるの? ううん、わかってる。そんなことを聞かなくても……。そうでしょ、インキュベーター」
 あの娘の迷いのない声が聞こえてくる! だめ、だめだよまどか……! 待って、私が今すぐこいつを倒すから――。
「もちろんさ。だから、僕と契約して、魔法少女になってよ!」
「ダメぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
 魔法の砂時計に触れるよりも早く、まどかはピンク色の魔法光に包まれていた。――魔法少女の光を放っていた。ワルプルギスの夜から迫るビルの瓦礫体にまどか達の姿が一瞬だけ隠されると、
「……っ」
時間を操る魔法が発動して、私以外の全てが止まる。私へと迫りつつあるワルプルギスの夜の攻撃を避けるために、ワルプルギスの夜が放った廃ビルの中心点にバスーカ攻撃を打ち込むと、まどかの元へとただ急いだ。時を分断するよう何度も時間を止める。
――ただ、まどかの元へ。
「まどか……、まどか!」
 少しでも前へ、ただ前へ、――もう無駄だとわかっていても、その歩みを止めることができなかった。
「……そんな!?」
 そして、それを嘲笑うかのように私の魔法の有効時間が過ぎた。時間はもう止められない。後は魔法の砂時計を逆転させて、過去に戻る魔法しか使えない。
「あっ……、まどか……?」
 魔法少女となったまどかの後ろ姿が見える。その手に持つ弓が眩しいまでのピンクの発光色を放つ。
「これで……終わりだよ!」
 魔法少女となったまどかの強さは恐るべきものであった。ピンクの発色光が大空を描いた時、既にワルプルギスの夜は粉状の別の物質へと変貌していた。銀色に反射する金属のかけらのようなものが空から舞い散る。それらがまどかのピンクの魔力光によって、乱反射して薄暗かった街をただ明るく照らし続ける。
「……これで終わりだね」
私が科学兵器の束をいくらぶつけてもびくともしなかったワルプルギスの夜の装甲を、まるで赤子を撫でるかのようにして変質させた。――最初から何もいなかったと訴えかける。
「まどか……?」
 そして、その乱反射する中心点でまどかはこちらを振り返ると笑っていた。
「ごめんね、ほむらちゃん。不安にさせちゃったみたいだね? でもね、それはね……ちゃんと理由があったの。こうしないといけない理由があったの」
 何の理由があったのだろうか? ワルプルギスの夜を私たちが倒せないからなったのか? 力不足なのか? それとも別の問題? わからない。まどかが何を考えて、今魔法少女になったのかが。
「っ……!」
 まどかが魔法少女になってしまったのなら、私の取る行動は決まっていた。やり直す。また、同じ世界を最初から繰り返す。――まどかとの出会いを。そうすれば、魔法少女になったまどかは、また……ただの少女へと戻り……、全てが白紙になる。
「暁美さん、危ない!」
 巴マミの声が聞こえ、魔法の砂時計をひっくり返すために右手を左手へと向けると、
「えっ……?」
何かに掴まれたという衝撃波が襲い、私は焦りを感じ始めた。それは、
「まど……か? どうして……?」 
 まどかとの距離は数百メートルあるというのに、私の左手にある盾を動かないよう“まどかの手”がしっかりと掴んでいたから。
――普通ではあり得ないぐらいにまどかの伸びた手が、私の左手を盾ごと強く握りしめてくる。力を込めて、ひっくり返そうにも砂時計はびくともしない。『どうして?』と訴えかけるようまどかを睨みつけると、
「……だめ? 何がだめなの?」
 聞こえるはずのまどかの声が聞こえない。その代わりにまどかは首を振っていた。そして、いつか見た私を照らしてくれるあの笑顔を見せてくれた。その瞬間、まどかが鋭い閃光を放つとそこには、――もうまどかと呼ばれた少女は消滅していた。
――救済の魔女『クリームヒルト・グレートヒェン』。それが私を見下ろしていた。
「まどか……!」
 悔やんでいる時間なんてない! 魔法の砂時計を回せば過去に戻れる。やり直せるんだ。
「なんで……!」
 まどかの手による呪縛がなくなった今なら、魔法の砂時計をひっくり返すことができるはずなのに、
「くぅ……!」
 それは先ほど以上に頑丈で動くことすらしなかった。
「これの……せい?」
 よく見れば、盾と左手は何か細いピンク色の根っこのようなもので、ぐるぐる巻にされていた。
「あぅ……!」
 その根っこを取るべく掴もうとした瞬間に、それは私を更に締め付けた。それに加えて、光熱を右手へと放つ。掴もうとした右手の指にはその影響か黒い線ができていた。
 そうだ! 破壊すれば……。そう考えた私は魔法で銃を取り出そうとした。したのだが、
「くぅ……」
 その行動さえもその根っこは封じた。魔力を吸い取っているのか、魔力光を放つとすぐに消えてしまう。
「暁美さん! 避けて!」
「あっ……!」
 巴マミの叫び声が聞こえると私の左手の戒めは何もなくなっていた。――何も感じなくなった。……重さも、魔法の砂の動きも何もなくなった。
「あ……、あぅ……」
 盾が……、盾が割れていた。地面へ落ち消滅を始めていた。砂の流れる音が私の耳を支配する。
――砕かれた。壊れてしまった。やり直すことのできる唯一の希望の魔法が――。
「っ……ぅ!」
しゃがみこみ魔法で砂時計の修復を試みるが何も変わらない。ただ紫色の発光を周囲に放つのみだった。
「なんで……、なんでなの! なんでまどか! どうしてなのよ! 私はあなたに生きて欲しいのに! どうして……!」
――私は泣いていた。完全に消滅した盾があった場所に落ちる涙を見て、それにはじめて気づいた。
「暁美さん! 一旦引きましょう! 魔女との連戦は今の状況だと芳しくないわ。それ
に――鹿目さんが魔女となった今、私たちには心の休息が必要だわ」
私を背負うようにして、巴マミは荒れ果てた大地を駆け抜けていく。
――クリームヒルト、まどかを見つめながら私の意識は落ちていった。
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