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2012.05.18
物件って高いですよね。と考えていた時に脳内に現れたもの。
『杏子が滞在先のマミの家から出ていくと急に言い始めて……』

「いらっしゃいませ~」
 あたしと杏子は駅前近くの不動産屋まで足を運んでいた。それは杏子の住む家を捜すという理由からだった。
『いつまでもマミの部屋にお世話になるってのもさ』 
そんなことをマミさんの部屋で遊んでいると突如として杏子が申し訳なさそうに言い始めたのだ。何を急に……って思っていたら、真剣な顔になったマミさんが『別に構わないから、ずっと一緒にいましょ?』と普通に言葉を返して――。なんとか説得しようと試みていたけど、やっぱり出ていくと杏子は断っていた。
なんだかんだでマミさんは寂しさを隠してることは知ってた。だから、杏子に出ていってもらうと悲しいのだろう。昔みたいにギクシャクするのは嫌って、いつだったか話してくれたりしたし。
 杏子の一言のせいで空気が悪くなったこともあり、あたしは立ち上がって『じゃぁ、どうせなんで物件でも見に行きますか!』と半分逃げるようにして、杏子を連れて外まで出てきたのはいいけど……。あたしの予想以上に不動産屋ってのはあって、あっちに入ろうかこっちに入ろうかと迷っていた!
 そのたびに店員と思われる人が声をかけてくるのでなんとなく申し訳ない。当の本人である杏子はというと『アイス食べたい』というだけで物件に目を配ってすらいない。
 ――誰のために探しに来たのよ!
 と、叫びたい気持ちを抑えて……。でも、杏子と同じ味のアイスを食べてるあたしに言う資格はないかもしれない……。マミさんごめんなさい。
とは言っても杏子と同じ量のアイスを食べると流石に太りそうなので、あたしはチョコ味だけ食べていた。
 対して杏子は、元のアイスの味がわからないくらいアイスが連なるようコーンの上にバランスよくのっているのを頬張っている。あたしが覚えている限りでは10個ぐらい頼んでいた気がする……。
 全くこいつの胃袋がどうなっているのか非常に気になるけど、聞いたら負ける気がして聞けないでいた。あとでこっそりマミさんにお願いしてみようかな……。あぁ、でもマミさんも確か杏子がケーキしか食べないくせに太らないからって、愚痴ってたな……。やっぱ、聞かないでおこう。
「じゃぁ、次はたこ焼き食べに行こうぜさやか」
 山のようにあったアイスがいつの間に食べ終わったのか杏子が物足りなさそうな顔をしてこちらを見ていた。
「はぁ? あんた何言ってるのよ。家捜すんじゃないの? マミさんにだって言ってたじゃん」
 お菓子を食べに来たわけじゃ――決してない。
「うん? あぁ、そうだっけ? まぁ、アタシは別に眠れればどこでもいいけどさ」
 まるでどうでもよさそうな顔をしたので、
「よくない! よくないよ! 杏子だって、女の子なんだからちゃんとしたとこに住まきゃ!」
 と真剣な顔で怒鳴り声をあげると杏子を見つなおす。
「さ、さやか? あ、う、うんそうだな。そうする」
 それに反応した杏子はなぜか顔を赤くして背けてしまったけど。
「たこ焼きはまた、今度にしてあそこのお店に入ろう!」
 そして、あたしは杏子の手を取ると走りだしてた。

☓ ☓ ☓

 不動産屋に入るとまず話を聞いた。入ったこともないしね。店員はあたしたちを見て何か驚いていたけど……
「へぇ……」
 なんでそんな顔をしたのかすぐにわかることとなった。不動産屋にある物件はあたしたち中学生にはどうにもならないくらいのお高い金額がかかっていたのだ! なんとなく納得してしまう……。あたしのお小遣いの何ヶ月分になるんだろう……。一ヶ月で高い……。
「ふぅーん」
 この場に居づらくだんだんとなっていき、どうやって不動産屋を抜けだそうと考えていると、
「なぁ、さやかぁ。重大なことを忘れていたんだけどさ」
 ふいに杏子が一つの物件資料を手にとってそう言った。重要なこと? お腹すいたとか……? 杏子が持っていったのはオフィス用って書かれていたやつだったような……?
「何? 部屋は4LDKとかじゃないとだめとか?」
 大きいほうがいいのかな、やっぱり。
「いや、払えるお金持ってない。だって、アタシたち中学生だろ?」
「えっ?」
 その一言がキーとなって、あたしたちはなんとか不動産屋から脱出することが出来た。
 ただし、あたしは赤面して。
 忘れていた中学生だというのを……。ショッピング感覚で不動産屋を回ろうと考えていたあたしは頭が痛かった。てっきり、そういう金額を杏子が持っていると思ったけど、よくよく考えると……。
「はぁ……、そういえば、あんたがお金使うところ見たことないや」
 杏子がお金を持っているところも見たことがないような気もする。
「そうだろ?」
 いや、ドヤ顔でこっち向いてもらっても……。
「お金なきゃ、どうするの? 結局マミさんの家が安定な気がするけど。ほら、マミさん寂しがるでしょ?」
 だいたい杏子があんなことを言わなきゃこんなことにはならなかったわけで――。
「うーん、どうしようかな」
 寂しそうにうつむきかけたので、
「なら、あたしの家に来る……?」
 思わず、口走ってしまった。その考えがないわけじゃなかった。うちには使っていない部屋があるし……、でもそれって結局はマミさんの家に滞在するのと何も変わらないじゃないかって思うあたしもいて……。
 どこにも行くあてがないならって、そんな甘い考え。マミさんもそれなら寂しさは少し半減するんじゃない? って思うけど……。まぁどうせ、マミさんの家に戻るんだろうなと思ったあたしを、
「じゃぁ、そうすることにしょうかな。いいんだろう、さやか?」
 赤面しながら杏子がそう目を輝かせていうものだから、
「は、い……?」
 と可笑しな返事を返してしまうのだった。
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物件って高いですよね。と考えていた時に脳内に現れたもの。『杏子が滞在先のマミの家から出ていくと急に言い始めて……』
まとめwoネタ速neo at 2012.05.18 21:14
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