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R.U.K.A.R.I.R.I | くずなほむらがいたら…… その2
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2012.02.13
くずなほむらちゃんがいたら という魔法が
関係ないまどか☆マギカの世界を書いてみました。
その2となります。
 
その1


 ☓ ☓ ☓

小言というよりは妄想が長かった先生の話が終わると、待っていましたと言わんばかりに男子たちが勢いよく廊下へと飛び出して行きました。元気がいいと言ったほうがいいかもしれません。確か出ていった男子たちは、運動部だった気がします。文化部の人は逆に落ち着きながら、席を立って廊下へと歩いて行きました。
運動が苦手な私にとって運動部のそれは、とても羨ましく見えました。文化部というよりか何も部活に入っていない私は、走ると何もないところでも転ぶことができる自信があります。それを誇っていいのかはわかりませんが……。だから、運動が上手なさやかちゃんやほむらちゃんが羨ましく思います。仁美ちゃんはあんなおっとり系お嬢様な雰囲気な割にそれなりに運動ができて、なんだか納得できません。
せめて、他に運動が苦手な人がいれば私も居心地がいいのですが。『はぁ』とため息が出てしまいます。
……神さまももう少し私に何か得意なものをくれたらよかったのに。
「……はぁ、もう」
俯きがちだった顔をあげると、さやかちゃんと目が合いました。はやく行こうという合図です。私はそれに答えるように頷くと急いでカバンへと、机に出したままだった教科書とノートを仕舞います。そして、カバンを持つとほむらちゃんの席へと向かいます。
――そうでした。出かける約束をしていたのを一瞬忘れていました。それだけ、運動というのは私にとっては魅力的なことなのでした。
ほむらちゃんは朝から何かを描いていた覚えがあったのですが、今もそれを描いているようです。そういえば、さやかちゃんと言い争った後も、先生の話を聞かずにひたすら筆を動かしていたのが目に入った覚えがあります。
「ほむらちゃん、何描いているの?」
ほむらちゃんは、普段付けていない赤い縁のメガネをつけていました。授業中だとよくつけています。どうしてつけてるのか、一度だけ聞いたことがあります。それは、集中できるのと目がよく見えるからと言われました。
そのことについてですが『それって、眼鏡の度数が入ってないんじゃない。眼鏡なんだから、目がよく見えるの当たり前だろ』とさやかちゃんが奪い取って自分の耳につけいざ目の前を見ると、悲鳴を上げながら眼鏡を急いで外していたことがあります。
私はつけたことがありませんが、きっとかなり強い度数なのでしょう。だけど、それだったらなんで常時つけてないんだろうと私は思ってしまいます。でも、ほむらちゃんなら視力なんて関係ないと思ってしまう私もいます。
メガネ姿のほむらちゃんは、可愛く見えるのにいつもそれを言うと外してしまいます。『可愛いのはわたしじゃなくていい』それが口癖です。
「わたし?」
ほむらちゃんが私の方を向きます。それに対して頷くと、
「これを描いていたの。それとこれを参考に見ていたの」
ほむらちゃんが本を持つと二つの表紙を見せてきました。
一つはタイトル『魔法少女の作り方』著者『インキュベーター』と参考にしている本には。そして、もう一つ描いていたという本には『魔法少女まどか☆マギカ』と書かれていました。
その中心にはピンク色の少女が描かれています。そうどう見ても私に見える少女が。
「有名な本なの?」
それにしても、どうして私が描かれているのだろうか。それに魔法少女って……。
「どうだろう。わたしもたまたま見つけたの。こないだ図書館で探しものをしているときにね。そうそう、他にも巴先輩が好きそうな神話の話があったわ」
 ほむらちゃんがぱらぱらと参考にしている本を見せてきます。専門用語が羅列されており、私にはよくわかりませんでした。
そういえば、マミさんもほむらちゃんとよく一緒に図書館に行ってるとほむらちゃんに聞いたことがあります。中でも黒魔術や暗黒儀式といった昔の魔法? 魔術というのに興味があるみたいです。そしてマミさんが授業中に居眠りをして、謎の言葉を唱えたと学校中で一時期話題になったことがあります。確か、『ティロ・フィナーレ?』そんな言葉です。
マミさんはほむらちゃん並の才能とそして優しさを持ってるため、男子女子関わらず人気の先輩です。告白も結構されたことがあると聞いたことがあるもとい、相談されたことがあります。
 羨ましい限りです。私なんか話しかけられること事態が珍しいことです。何かの妨害されてるような気がします。そう思うしかないくらい何も無いです。そんなことを考えつつ
「魔法少女とか、好きなの? 可愛いよね。私も小さい頃にテレビアニメでみたことあるよ」
 と描かれていた絵について指摘しました。
「可愛いでしょ」
 ほむらちゃんが私に笑いかけました。それも今日見た中で一番の笑顔で。
 ――可愛かった。確かにほむらちゃんが描いたとされる『魔法少女まどか☆マギカ』の表紙に描かれている私に似ている少女はピンク色のフリルいっぱいのスカートを履いた全身ワンピースで、私の好みにそっくりでした。そのため、それが例え私でなくても可愛いと思ってしまうことでしょう。
「何なのこれ?」
 指さすとそれをほむらちゃんが手渡してきました。
「同人誌、今度出す本なの」
即答されました。相変わらず、ほむらちゃんの才能がよくわかりません。運動もできて、絵もうまくて勉強もできて……、すごく悔しいとも感じます。
ただ、一点だけは悔しさを感じません。それは『なぜか私のことを中心にして作成』ということです。悪いとは言いません。むしろ、嬉しいことですが私なんかのためにほむらちゃんの才能を潰してると思うと、後悔したくなるくらい縮こまりたいです。
「なんで私が――」
その本にいるのだろうと、聞こうとしたら、
「描いたの、私が」
そういって、それらを私から奪うように仕舞い、席を立っていました。そして、一度こちらを振り返ると疑問に似た表情を向けます。その表情は『行かないの?』と言ってるようで、私はほむらちゃんの手を取るとさやかちゃんの元へと急ぎました。
――理由はもう聞かなくてもわかっています。だけど、念のため……です。
『なにしてたの?』というさやかちゃんの問いに、ただ「内緒」とだけ言ってほむらちゃんは先導するよう廊下へと出ると、玄関の方に向かって行きました。私は手を引きずられるような形でそれに続きます。後ろを振り返ると、唖然としたさやかちゃんを仁美ちゃんが肩を叩いて正気へと戻すと、駆け足でこちらに向かって来ました。
さやかちゃんの表情はよっぽど悔しかったのか、口が引きつっていました。それをなだめるように落ち着いている仁美ちゃんを見てやっぱりすごいなと感じました。



☓ ☓ ☓

玄関まで手をつながれたまま誘導されてきた私は、
「ほむらちゃん、足速いよ! あっ――」
学校の門に背を預けるようにして立っている赤い髪の女の子に気づきました。
というよりはここにいる生徒と比べて特徴があるため、視界に入りやすかったです。それは学校の制服を着ておらず、緑色のパーカーを羽織って、時折制服姿の生徒にガンを飛ばすように睨みつけているからです。そのため、私にも発見することが出来ました。
その行動は杏子ちゃんにとって相変わらずというべきなのかといってもいいのではないでしょうか。よくほむらちゃんが『ご主人様を守るいわゆる番犬のようなものね』と杏子ちゃんとさやかちゃんの関係を言います。確かにさやかちゃんといるときはそんな風に思ったことがあります。味方と感じた者以外に好意を決して振りまかない。
ほむらちゃんがいうご主人様関係というのは、さやかちゃんがご主人様で、杏子ちゃんが愛犬。それはつまり、ご主人様が危険になったら、助けてくれる番犬。そんな感じの二人です。人によってはそう見えてしまうかもしれません。
――そんなことを本人たちに言ったら、怒られるんだろうなぁと思いつつ、
「杏子ちゃん?」
 と声に出すと、それに反応したほむらちゃんが手を離しました。
 そして、こちらを振り返ると
「そうね。赤い髪なんてこの街じゃぁ杏子ぐらいじゃないかしら」
 玄関の入り口の扉に背中をつけ何かを考えるかのように目をつぶりました。それもため息まじりです。ほむらちゃんだったら、いつか本人たちの目の前で言いそうですが……。
 でも、そんな二人を見ていつも『めんどくさい』と言ってることがあるので本当にいつか言っちゃうかもしれません。私の見える限りではまだ言っていないはずです。
「ほむらちゃん、さやかちゃんたち待たないの?」
 ほむらちゃんの横へと移動をすると、杏子ちゃんと学校の中を交互に見ます。ほむらちゃんが扉に陣取ったせいなのか、他の生徒が私たちを避けて他の扉から出ていくのを発見してしまいました。
 気持ちはわからなくもありませんがあまりいい気分がしないです。ほむらちゃんの不思議具合は学校に認定されるくらい有名で、面白がって話す人以外誰とも離しません。
――高貴な花という言い方もする人がいますが、本当は違うと思います。
 というわけで、基本的に私たち以外話してるところをほぼ見ません。ほむらちゃん本人はそれを気にしている様子はないです。
「そうね、そのつもりだわ、ふぅ」
 先に二人で行っちゃうつもりなのかとも思いましたがそこはやっぱりほむらちゃんでした。周りに合わせようとして、合わせられない。そんな女の子ですが、決して悪い娘じゃないんです。それがちょっと普通はと違うだけで、本人は合わせてるつもりなんです。だから、私はそういうほむらちゃんは大好きです。
 ただ、ただいやなこともありますけど……。
「まどかぁー、ほむらー、どこだー! もう入り口かなぁ、仁美……?」
「さぁ、どうでしょうか。暁美さん足速いですしもう着いていらっしゃるかもしれませんわ」
 学校の奥のほうからそんな声が聞こえたと思うと階段からさやかちゃんたちが降りてきました。
「かぁ! 早いんだよほむら。あ、んたに合わせるこっちのことも考え、ろよ。それに、な、まどかに対してだってな――」
私たちの近くまでさやかちゃんたちが来ると呼吸が乱れているのがわかります。どうやら、二人共走ってきたようで、少し額に汗が光って見えました。
さやかちゃんは口を大きく開けて呼吸を整えようとしているのに対して、仁美ちゃんは乱れを決してみせません。普通に立っていました。やはり、お嬢様というのはそういうような教育をされているのかな。
「さやかちゃん、杏子ちゃん来てるよ。杏子ちゃんも呼んだの?」
「ん? 誰?」
 はぁはぁと呼吸しながら、さやかちゃんは息を整えようと深く深呼吸をすると
「あぁ……」
 と、門の近くにいる杏子ちゃんをとらえたのか、一瞬にやけました。何かいたずらを考えている意地悪っ子の目です。
「さて、美樹さやかたちも来たことだし、行きましょう」
 そういって、ほむらちゃんが一歩外へと足を進ませました。それに気づいたのか杏子ちゃんがこちらへと手を振っています。
「あはは、あぅ――」
 それに対して、私も手を振りました。
というよりか、私以外誰も手を振りませんでした。少し恥ずかしさを感じて、すぐやめました。そうですね、学校なのですから他の人の視線を感じてしまいます。
 杏子ちゃんがいる門の近くにまでくると
「さやかたち、これで学校終わりなのか?」
 杏子ちゃんが尋ねてきました。
「そうだよ、あとね。これからデパート行くのだけど一緒に行く?」
 とそれに対して私は答えました。
「うん」
 一度頷くと、杏子ちゃんは笑いました。
「美味しい物あるかな?」
「地下にいけばあるかと思いますわ」
 仁美ちゃんが一足はやく学校の敷地外へと出ました。そして、こちらを見て笑っています。
「?」
 なんで笑ったのか私にはわかりませんでしたが、さやかちゃんが仁美ちゃんに続いて歩こうとした時に気づきました。
「……あ」
さやかちゃんが顔を背ければ、杏子ちゃんはしゅんと表情を曇らせ、逆に顔を向ければ犬歯をこちらに向けて微笑みかけています。さやかちゃんはそれをだいたい十数回繰り返すと、杏子ちゃんの横を何も最初からいなかったように通り過ぎて行きました。そして、門のちょうど真ん中の位置で停止するとこちらに向き直します。顔はこちらを向いていました。すると、一段と顔を暗くした杏子ちゃんがため息をつきました。それと声には出していませんが『さやか』と口元が動いているようでした。
「……まどかいくよ」
そういってほむらちゃんは先ほどと同じように私の手を前へと引っ張りました。表情は無表情というよりか、呆れている顔をしていました。さやかちゃんに向けてそれは睨めつけたかのようにも見えます。
「うぇ、うぇっと」
その勢いに負けて私も杏子ちゃんの脇を超えていきます。
そのとき一瞬だけ見えた杏子ちゃんの表情は泣いてように思えました。
「ちょ、ちょっとさやかちゃん――」
と言いかけた私を止めるようにさやかちゃんが右手を私に向けました。そして目元は少し悲しそうでしたが口元はにやけていました。
「まどか?」
「なんでもないよ、ほむらちゃん」
と言うと、『そう』とほむらちゃんはぼやくと振り向いていた顔をまた前に向けました。
「美樹さやか、そういうのは別に構わないけど、買い物の時間がなくなってしまうわ。それにそういうことわたしはめんどくさいと思うわ。非常にね、けど否定はしないわ。わたしもそういうことしてみたいし」
 背中越しにほむらちゃんはそう声をあげてました。
「わ、わかってるよ、ほむら」
 その指摘を感じてなのか、さやかちゃんの声が震えてるように思えます。
「さやかちゃん?」
 ほむらちゃんに続くようにして、敷地外へと出ると
「さやか?」
 上目遣いに顔を杏子ちゃんがあげていました。
「じゃぁ、行こうかなぁ」
さやかちゃんが杏子ちゃんの言葉を無視するようにこちらを振り返り言います。
「さ、さやか!」
「ちょっと、うぇ――」
杏子ちゃんに声をかけようとしたら、仁美ちゃんに思いっきり後ろへと引っ張られたため、視界が転ばないよう足元に向きました。一瞬だけ見えた杏子ちゃんの表情は捨てられた子犬のように耳が垂れ下がって、しゅんとしていました。危ないなぁと仁美ちゃんに文句をいようとして、
「さ、さやかちゃん?」
私が面をあげたときにはさやかちゃんも私たちと同じ敷地外にいました。
「いいから、行くよ。売り切れちゃうから」
「……」
 笑顔で話すその声を聞いたのか杏子ちゃんがシュンとして下をうつむいています。
「……何やってんだよ。ほら、行くよ、杏子」
 さやかちゃんは一歩ずつ歩きながらそう静かにつぶやきました。まるで飼い主が『待て』から『よし』へと変わるかのように。
「さ、さやかあああああああ」
杏子ちゃんはその声を聞くととびっきりの笑顔になって抱きついていました。
さやかちゃんは、杏子ちゃんに対していつもなぜか意地悪なんです。幼い頃から一緒にいるせいか、何か悪戯しようとしているのは分かってしまいます。それに対して何も言わないで黙っている私ですがわかってるから言わないんです。
だって、本当は優しい娘なんです。
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