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R.U.K.A.R.I.R.I | 過去作品「Fate to Fate」 その①
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2011.08.28
過去販売作品の公開

リリカルマジカル5で出した本になります。
※販売したものに、一部修正が加えられたものとなっております。

表紙絵・挿絵:まるきゅ~(nine boal) SCHさん

その①です。

挿絵も公開になります。

01表紙

「う~う~」 
部屋の中でヴィヴィオはキャミソール姿で床にべったりと倒れていた。それは、床の上がとても冷たくて身体を冷やすのに便利だという理由だった。椅子の上は、鉄板焼きのようにすごく熱を持っていた。
クーラーはきちんと作動しているのだが、窓から光を多く取り入れる形と部屋がなっていたため熱が逃げにくい。
だからこそ、なのはも椅子に座ることはせず、ベッドの上に仰向けに倒れていた。その表情は動きたくないとまでに感じるほど、汗を描いていた。時より窓から差し込む光に鬱陶しさを感じているのか、顔は右腕で隠している。
 JS事件が過ぎてから数ヶ月の日々は、事件がおきる前の日常と同じように高町なのはとフェイト・T・Hと高町ヴィヴィオは同じ部屋でともに過ごしていた。夏も終わるという時期でも関わらず、その日もまた日差しがさんさんと地面を照らしている。誰もヤル気を感じていない日であった。
 平和であり、なおかつ休日であるからこそできること、それをしていた。
「まま~あついあついよ~」
うにうにと、身体全身を芋虫のように前後移動するヴィヴィオ。その動きは小動物にも見えて、かわいいもの好きな人から見たら『お持ち帰りしたい』そんな衝動に襲われるかもしれない。その移動の度に、キャミソールから可愛らしい下着が見え隠れした。
縞々の水色。窓から見える空も同じように、青空に雲が流れていく。
「ヴィヴィオ、いくら叫んでも涼しくならないよ? それに女の子がこんなだらしない格好してちゃだめだよ」
なのはが心の入っていない声をベッドの上で話す。
「あ、あつい!あつい!」
 それをきいてわざとらしく暴れるヴィヴィオ。それを聞いたなのはがため息をつきながら、ベッドから重い腰を上げるとヴィヴィオへと近づく。
「こらこら……、少しは……落ち着こうね」
 なのはがしゃがみこむと手をばたばたと上下移動させていたヴィヴィオの両手の動きを封じる。動きを止められたため、うーと控えめに声を出した。
「そんなこといったって、なのはママの方がだらしないよ。下着姿なんかそれにHだし、いわゆる濡れ場? そうそう、Hといえばもっと顔が火照って、何かがぐちょぐちょしてるといいとか聞いたような気がするな、なんだろうなぁ、何かって……?」
ヴィヴィオは眉間にしわをよせて考える。頭の中に色々と浮かぶが、それの答えというものがヴィヴィオの脳内にはあらわれてこなかった。
「ヴィ、ヴィヴィオ。よ、よくそんなことわかるね……誰かから教えてもらったのかな?」
 なのはの眉毛がぴくぴくと上下に動く。その声は普段とは違い、いらだちをあらわしていた。
「うーんとね、ねずみさん! フェ? フェレットというのかな?名前は確か……あぁ、ユーノさんっていうんだっけ。よく、無限書庫で会うよ。それでね、見てた本はなんかね、裸の女の人と下着姿の人がね、一杯写っている本をみていてね。はぁはぁいいながら、『この縞パンとこのお尻、えぇHな身体、もう少しあれだと最高だ』だって言ってたんだよ。その後ね、一緒に裸の人が動く映像みたよ~、すごいね。今こんな技術あるんだね!」
ヴィヴィオが頭を傾けながら笑顔でそういう。
「へぇ、そうなんだ……」
 なのはが、ほっぺを震わしながら笑う。
「えへっ」
ヴィヴィオは子供の姿をしているが時として、難しい言葉や、理解できにくいことをすべて理解しているのか子供と思えない行動、言動を行うことが多々ある。なのはは別にそれをやめるように言わないが、フェイトはあまり大きい問題にならない方がいいから、あまり目立った行動は起こさないでねとヴィヴィオの頭をよくなでている。
「あっつい、あっつい♪」
それは自分という存在とヴィヴィオの存在を照らし合わせ、何が一番大事なのかを考えているようである。
とはいっても最近では、フェイトはエリオ、キャロの方へ、ヴィヴィオはなのはの方へとそれぞれすれ違いのようなものがはじまっている。すれ違いといっても、いわゆるママから、お姉さん、フェイトさん、おばさんのような認識の変化の程度である。付き合いに関しては前とは状況はさほど変わらない。ただ、親しい人から他人という変化の現れということになるのかもしれない。
何にしても、ヴィヴィオは色々なものに目を輝かせて興味を持っているようで無限書庫を使いいろいろな知識を獲得しようとしている。それは子供の純真さのようなものである。
色々な変化の中をヴィヴィオはなのはたちと生活していた。ヴィヴィオがそれを選び、獲得した。そして、それをなのはは受け入れたのだ。高町ヴィヴィオとして、自分の娘として育てる。
「……ユーノくん、あとでどうなるのか分かっているのかな……!」
 なのははきれいな笑顔をしてヴィヴィオの言葉を聴き、握っていた左手をヴィヴィオの指ごと強く握りしめ始める。その影響でヴィヴィオの手は真っ赤に染まり、ふとした瞬間にも赤い血が飛び出してしまいそうである。
「ま、まま!い、痛いよ!」
 ヴィヴィオは痛みを緩和しようとしているのか、なのはに握られた手を上下に移動させる。それに気づいたなのはが手を放す。
「ご、ごめんヴィヴィオ。力いれちゃった。てへ☆」
なのはがヴィヴィオにウィンクをしながら頭をなでる。
「ほんと、ママはおちょこちょいだなぁ」
同じようになのはの頭を撫でるヴィヴィオ。
「おはよ~!なのは、ヴィヴィオ♪」
 その二人を覆い隠すように一つの人影が包み込んだ。
「うん、おはっ!? フェイトちゃん……なんて格好を……襲われちゃっても知らないぞ? 私は別に嫌いじゃない、いや、むしろ好きだけどフェイトちゃんのその姿。こう隙間から……」
 いつの間にかヴィヴィオがいた位置からフェイトの後ろへと、なのはは移動すると肌をゆっくりとラインに沿ってなぞった。するりするりと。
「やだぁ!な、なのは!どこさわっているの……」
 なのはの指は、的確になのはが知っているフェイトの弱点を攻める。
「なのはママとフェイトママはやっぱり仲良しだね。ても、フェイトママは服を来た方がいいよ。うーん、なのはママももうちょっと服を着たほうがやっぱいいよね」
 なのはとフェイトを指差すヴィヴィオ。ヴィヴィオがそういうように、なのは、フェイトは下着姿でとても人前に出ていける格好ではなかった。
 ヴィヴィオもキャミソール姿ではあるが、子供なので影響力は二人ほどないといえる。ヴィヴィオが『うんうん」と上下にうなづく。
「うーん、でも私は夜寝たとき確か服を着てたはずなんだけどな? なのは何かしらない?」
 フェイトはどうして、自分が何も身に着けていないのかと疑問を感じて頭を傾ける。フェイトはきちんとたたまれている自分の服をなんでだろうと見つめる。
「確かに、フェイトお姉ちゃんは何か着てたのを私もみたよ」
 なのはの手を握るヴィヴィオ。




「え、別に私はなにもしてないよ?ね!ヴィヴィオ?」
「うーん、私は見てなかったからわからないよ?」
 ヴィヴィオはなのはの顔を見てかそう答える。
「なのはー!!」
「い、いや、ほら、誰も私がやったとはいってないし。目撃者もいないんだよ? 私だって、疑うのはよくないと思うよ。ほら、仕事でもよくあることでしょ? だから、きっと私じゃないんだよ」
「でも、やるとしたらなのはくらいしかいないと思うんだよね。それに……」
 フェイトは顔を赤く染める。
「うん?どうしちゃったのかな、フェイトちゃん顔を染めて」
「フェイトおねえちゃん、真っ赤か!」
 ヴィヴィオはなのはと手をつなぐと、一緒に指をさす。
「あ、いや、う、うん。シャ、シャワー、あ、あびてくるね」
 フェイトはどうしたわけかこの場から逃げるように足を引きずりながらシャワー室へと向かおうとする。
「じゃぁ、私たちも入ろうかヴィヴィオ」
 それをそのまま追う形になのはも立ち上がる。
「うん♪」
 もちろん、ヴィヴィオもそれをみて立つ。
「えー!? な、なのはぁ!? 入ってるとき、へ、へんなところさわらないでよね?」
 部屋のはじっこの方からフェイトの声が聞こえる。どうやら、シャワーにはいる準備をしているみたいだ。
「うーん、保障はできないかなぁ。ね、ヴィヴィオ」
「ねー」
 それはいつもと同じような蒸し暑い夏の日の一日であった。

そんな感じの生活をしばらくしながら、フォアード部隊のスバル、ティアナ、キャロ、エリオ、他数名は訓練や実践に苦戦しながらも成長して無事に機動六課を巣立ち、ストライカーズとなってなのはたち戦技教導官の元を羽ばたいていった。
 はやては、機動六課の建物をいつまでたっても名残惜しそうに何時間も眺めていたのをリインフォースⅡからなのはたちは聞いたという。
 もちろんはやてだけじゃなく、皆それぞれ胸に何らかの形で機動六課を思う気持ちはあり続けるだろう。
 それが、寂しさ、悲しさ、うれしさなのかはまではわかるところではないが、人それぞれということだろう。
 機動六課解散後、まもなくしてリインフォースⅡとまったり過ごしていたはやてに、仕事の依頼がやってきた。
 それは調査人数、他の事柄の関係上、フェイトとなのはに助けを求めることになり擬似的な機動六課のような形として仕事になった。
 とはいったところだが、機動六課というよりは、ひさしぶりに三人が一緒に同じ仕事をするというものであった……とはいっても、補助として補佐官ティアナ・ランスターも一緒である。このままシグナム、ヴィータ、エリオ、キャロたちがいれば本当に機動六課に見えてしまうだろう。
 ティアナは補助、補佐官ということで私たちと別行動をとるとのことで、違ったルートで現場に向かっている。まだ、飛行魔法を扱えないために地上をバイクで駆け巡るということみたい。
 いずれ、ティアナにもきっちりとした飛行魔法を教えたいと思うと、フェイトは考えるのであった。

☓ ☓ ☓

「ロストロギアか……なつかしいね、フェイトちゃん」
 現場へと向かうために管理局の小型艦船へと乗り込んだ私たちはいくべき場所の星を見ていた。ティアナは先行して、前の機材やその機材を動かすためのスタッフとともに違う船で降り任務にあたっている。
 私となのはは別ルートで現場へ向かう。
「そうだね、まるで小学校のころの私たちみたいだね」
 ジュエルシードか……なつかしいな。あれは、私となのはが出会った運命的な事件。
 そして、母さんとアリシアを失った事件でもある。
「うーん、そこまで昔じゃなくても触れ合ってると思うけど。記憶としては二人の記憶はそこかな?」
私の口元に指を当てるなのはのその指先はとても温かった。それはどこか安心感を得ることができて好きだった。なのはの手は温かい。
「うん、私となのは……初めての出会いだからね。忘れられない、忘れようとしても思い出してしまう。それに私はあのときいろんな人に迷惑をかけてしまったから」
 私はなのはから顔をそらした。沢山の人の迷惑をかけただから、私は忘れてはいけない。頭の中がもやもやした気持ちでいっぱいになる。
「しょうがないよ、私たちは子供でまだ何もわからなかったんだからね!」
「っえぅ!?」
 なのはは後ろから私を抱きしめた。びっくりして、少しびくんとしてしまう。
 なのははとても温かく胸の中がすっきりして、もやもやした感情をどこかに消し去るようであった。
「でも、子供だからといっても、許されることではないと私はずっと思っているんだ」
 なのはの腕を抱きしめる。なのははそれにこたえるかのように私をやさしく包みこんんだ。
「だめだよ、フェイトちゃん。何のために……いや、なんでもない。あのときの私たちは何もわからない。右も左も上も下も……それを知ろうと歩いていたのかもしれない」
「うん、ありがとう」
 私はなのはから離れる。
「なつかしい……か」
 なのはは何かを思い出すかのように目を閉じる。メインモニターが空を映し出す。
「さて、なのは行こうか。仕事だよ」
 頭を切り替えると、空へ飛び出した。あのときの私とは違うと考えながら……

× × ×

 空を滑空しながら、地表を目指す。
「……」
 いつか、またみんなで争いも何もない空を飛びたいものだ。
 とはいっても、みんなそれぞれの道を歩き始めて再び全員がめぐり合う機会はほとんどないことだと思うけどね。
「……?」
 急に黙り込んだせいのか、なのはが顔を覗いてきた。
「どうしたのフェイトちゃん? また、トイレでもいきたいの?」
 にやりとなのはが笑う、その笑顔はどこかいやらしさを感じた。
「ち、違うよなのは!な、なにいってるの?」
 突如、なのはがそんなことを言い始めた。
 どうやら、なのはには私がうずうずしていたのをトイレに行きたいのを我慢しているように見えるらしい。
 そう見えなくもないけど、どうしてそんなことを思うんだろう。
「いやぁ、急にだまっちゃったからさ……ほら、小さい頃に同じようなことをして……」
 私を見ながらなのはがにやにや笑い始める。
「お、思い出さなくていいから!」
 あの時、同じようなことがあってトイレに間に合わなかったのは覚えておいてもらいたくない記憶だ。別に間に合う事態だったのをなのはに何回も邪魔されたこともあったような……。
 それにしても、なのははどうしてこうも覚えていてほしくないことばっかり覚えているのだろうか? この間ヴィヴィオとご飯を食べている時だってそうだ。
 恥ずかしいことをわざわざヴィヴィオに言わなくてもいいのに……。なのはにしてみたら、ヴィヴィオが同じことをしないように言ってるのかも知れないけど……。
 でも、わざわざ私の名前を出して話のはどうかと思うんだよね、例をあげるのはいいと思うんだけど……、全部私ってのは……。そもそも原因のほとんどは、なのはにあると思う。
 私はなのはに、はめられてるんだ。
――別にそれは悪い気分じゃないけど……さ。
(……さん……フェイトさん)
 思考を中断するようにティアナから通信が入る。
(ん?どうしたのティアナ)
(周囲を調べていたら、少し怪しい感じの建物がありましたので内部を少し調べてきます。他にもいくつか気になる点がありましたので、そちらも見てきます)
(うん、お願い)
 ティアナは相変わらず、優秀。ちょっと、たまにおかしくなるときがあるけど、それも含めてどんどん成長していってる。きっと、補佐官からレベルアップ日も近い。
(何かわかり次第また連絡します、では)
 ティアナの通信がきれる。
「寒いね」
 地表に近付くとまずなのはがいうようにそれを感じた。
「そ……うだね」
 はやてから教えてもらった場所は、他と比べて冷蔵庫の中にいるかと錯覚するぐらい涼しかった。
「涼しい……いや、寒いといえるかな」
 涼しいとはいわないかもしれない、いやむしろ、寒いといった方がはやいかもしれない。おそらく、バリアジャケット状態でなければコートを3枚ほど羽織らなければ、きっと凍える気温だと思う。
「はぁっ」
 息を吐くと白い息がでる。寒い原因を探ってみるため、サーチ魔法を展開するが魔法なのか、電気的な例えばエアコンのようなものがどこかに設置してあるのかはわからない。
 簡単に考えるならば、地形……地球でいう冬の状態であると考えるのが一番か。
 それがこの星の気候ならば、魔法というよりはおそらく地球の機械を使う方がわかりやすいはずだ。
「クリスマス……シーズン?」
 とっさに過去のクリスマスを思い出す。
「なにいっているの?フェイトちゃん」
 ただ、神秘的なオーラが周囲を漂っているそんな雰囲気がある。クリスマスのような何かを祝福しているようなそんなことを感じた。
「なんだか、聖なる感じがしたから……それで寒いから」
「もう、フェイトちゃんは本当にかわいいんだから」
 なのはに抱きしめられる。
「にゅあ!?」
 うん、いつでもなのはは暖かい。心が安らぐ。
「なのはは何か感じない?」
「私もレイジングハートもわからないな、この気候とかはとくデータにないみたい。それはおいておいて目標のロスロロギアに関係ありそうなのを検知してみるよ」
 なのははフェイトから離れるとさっきの陽気な空気とは一転して目をつぶりながら、あたりの魔力反応を探す。
それに反応して左手に握り締められているレイジングハートも赤い色の光を放っていた。
レイジングハート、なのはのインテリジェンスデバイス。なのはが優秀であるのに加えて、このデバイスもすごく優秀でかつて、デバイスの作成を協力するといったことをしたぐらいである。
私のデバイス、バルディッシュをみる。このこも、レイジングハートに負けないくらい優秀。
「そっか、なのはにもわからないか」
 あたりを見渡すが、あるのは白い山、白い大地。
「すべてが真っ白……」
 何もない空間というのはこれに近い状態なのではないだろうか。
「そうだね、白一面」
 そして、白い結晶、白塊。
 それは空から止まることなく降り注いでいる。
「ゆ……き……?」
 雪と同じようでどこか違う。
 どちらかというともう少しだけ液体に近いそんなイメージだ。
 雨粒の表面を凍らせて内面はそのまま……水風船にも近い。
「……ん!?」
 空から降ってきた大粒の結晶がなのはの鼻先へと落ちる。なのはの鼻についた結晶を払う。
「あはは」 
なのはと一緒に笑う。
「フェイトちゃんは、本当によく笑うようになったよね」
 結晶が鼻に落ちて一旦集中力がきれたのか目を開けたなのはは、レイジングハートをデバイスモードへと切り替えると周囲の魔力を一点に集め込め始める。
 本格的に周囲を調べようと考えたのだろう。
「そ、そうかな?」
 バルディッシュを同じようにデバイスモードへときりかえる。
「うん、いいことだよ」
 なのはが笑う。
「笑ってるとそのぶんだけ、きっと幸せになれるよ」
 どちらかというと、私よりもいつもなのはの方が笑っている。それに私は笑うよりも、なのはの笑顔を見るほうが好きだ。
「だったら、きっとなのはのおかげだよ」
 そうあのとき、“友達になりたいんだ”といってくれたから。
「うん、ありがとう。でも、それはね。みんな一緒にいるからだよ、いくよ、レイジングハート!」
 なのはは、そういうとピンク色の発光体、魔法弾をいくつも出現させなのはから360度に向け、全方向に発射した。
 おそらく、もっとくわしいこの星のデータを集めるためだろう。いかに空が飛べて周囲を見渡せるとしてもやはり、こういった魔法で調べた方がよりはやく確実なのをよくしっている。
 私もなのはと同じように魔力をこめる。
「バルディッシュ……いけるね?」
 バルディッシュが答えるかのように光る。
 私は、なのはと違って飛ばしていない場所へサーチをすることにしよう。
 そして、私たち二人は目を閉じ、集中を開始した。

◇ 数分後◇

「……っ!?」
 何なのだろうか……ちくりちくりと胸の奥へと感じるものがある。
 魔力のように暖かいもの……でも、魔力ではない。心の温かさ……?
「……なのは、そっちはどう?」
 いつの間にか目をあけていたなのはは、ピンク色の魔法弾を自分の周りで何回も回転させていた。
「うーん、どうやら何か魔力の中にいるようなそんな感じかな……フェイトちゃんは?」
「私も同じような感じかな……なのは具体的な反応があるところわかる?」
「うーん、それは魔力反応が一番強いところって意味かな?」
「そうだね、魔力の中でもっとも反応が強いところ」
 なのはがこちらに背をむける。
「どうやら、あっちの向きからごくわずかな魔力反応があるみたいね」
 なのはは、そういって何もない場所を指した。
「何もないと思うんだけど?」
 聞いておいて、咄嗟に言葉に出てしまった。
 なのはが怒らなければいいけど……。
 本当は私もそっちから感じるものがあるのに……普段やられているから咄嗟にやり返したい、いじわるしたいというのがついつい出たのかもしれない。でも、大抵こういうときはやり返されるから私はあんまりしないことにしてる。
 だって、なのはの報復は……。
――考えるだけ無駄のような気がする。
「うーん、確かに私もそう思うけど、たぶん何か空間ごと何かに隠されているのかもしれない、それかここからじゃ単純に遠いだけかもしれない」
 なのはは魔法の弾を消滅させると深呼吸した。
「ほっ」
 よかった、言葉は気にしてないみたい。
「なるほどね、じゃぁとりあえず、一番怪しいところまでいってみようか?何かわかるかもしれないしね♪」
「そうだね、元々はやてちゃんから渡された資料でも“UNKNOWN”ばっかりだからね。特に役立つデータは特にないから、自分たちで情報データを集めるしか他ないね」
 なのはがなぜかニコニコと笑いながら私の元へと飛んでくる。
「フェイトちゃんは、あとで私とお風呂入ろうか」
「え!?なんで」
「ふふん、理由はわかるんじゃないのかな、かな?」
「へ、へんなことしない……な、な、ならね!」
「へんなことー?何を期待してるのかなぁ、フェイトちゃんは?」
「え……そ、それはその……だよ、なのは」
「えー、聞こえないなぁフェイトちゃん。もう一回大きな声で言ってほしいなぁ♪」
「もう!しらない」
「フェイトちゃんかわいい!あははははは」
「あははは」
 やはり、なのはの笑顔ほど怖いものはない気がする。何も感じていなかったわけではなく、何をしようか考えていただけだった……。
はぁ……。


☓ ☓ ☓

 笑いあった私たちはその後すぐに、一番魔力反応が強い場所まで再び飛行を開始した。
「ここだ……おそらく、結界魔法のようなもので視界に入らないようにしているかな」
 一番怪しいと思われる地点の上空へと位置をとる。
「よしっと!」
 なのはが、私より先に地表へと降りて周り、一面を見渡す。
「しっかし、何も見事にないね。ここら一面一周くらいしたけど風景にさほど変化はないね。こうするとねっころびたいけど……寒いから風邪をひくか、何か病気にすぐなりそうだね」
レイジングハートが光る。おそらく、バリアジャケットを装着している限り問題ないといいたいのであろう。
ここは、先ほどと同じような風景で何もない大地。
 ただ、さっきいた場所や他の場所と違ってすごくきれいに大地が整っている場所である。
 なのはの気持ちはわかる、何もない場所でなんとなく叫びたくなったりきれいなところでひなたぼっこがしたいという気持ちとおそらく同じようなものだろう。お日様がてらす野原はすごく寝ると気持ちがいい。
「きれいだね……」
「そうだね、こんな整ってるのを見るのは、お家立てる前の状態かスターライトブレイカーで一掃したときぐらいかなぁ」
「!? えっと……なのはそれって一体何をしたの?聞きたくもないような気がするけど……」
「うーんと、追っ手がたくさんきたから、魔力ダメージだけの全力全開スターライトブレイカーでちょっと眠ってもらっただけだよ♪」
 なのはが笑う。笑顔でなのはにそういわれると私は何もいえない。
 そこから数分間二人は無口で反応が強い周辺を調べていたが、突然ある地点をなのはが活発に動き始めた。
「うりゃあ」
 なのはが何もないところに向かってパンチを繰り出す。
「な……のは?」
 最初はあまりの寒さに気が狂ったのかと思った。寒さは感じないから、あまりの退屈さと解釈を取れる。
「何しているの?」
 データコンソールをいじりながらたずねる。
「うーん、気晴らしかなぁ」
 同じようにパンチを繰り出す。何も変わらなかった。当然だ。気が少し紛れるのかな……?
「そっか、ずいぶん時間たったからね……それは素振りでもしてたの?」
「ん? えっとね、レイジングハートパンチと名づけようかなって感じの近接魔法攻撃を考えていたんだ」
 なるほど、こういう場合でも戦技のことを考えているんだ。
「え……まさかレイジングハートをぶつけるわけじゃないよね?」
 レイジングハートというのだから、何かレイジングハートに関係があるのだろう。
「まさかぁ、違うよフェイトちゃん。シールド、デバイスの形状を一瞬だけグローブの形にして物理的メージと魔法ダメージを放てるようにしただけだよ」
「なるほどね……でも、何も起きないみたいだね」
 なのははただ目の前に、ただパンチを繰り出したかのようにしか見えない。さっき言ったことを聞いていない人はまさにそう感じるだろう、だが聞いた人でもおそらく同じに感じるのではないだろうか。
 現実に、私もそう感じている。でも、何か楽しそうに見える。
「あー、フェイトちゃんもしかして疑ってる?」
「え~と、そういう疑いじゃなくて……なんでそんなことしたか気になっただけだよ」
 何か根拠があるはずだ、そうでなければこの状況下でそれは考えない……はずだ。
「なるほどね、なんかねここにきてから、無性に近接戦闘をしたくなって思わずやっちゃった♪」
 シュッシュと口でいいながらなのはが同じようにパンチを繰り出す。 
「……!?」
 あれは……?
「なのは、もう一度それやってみて」
「うん?レイジングハートパンチ?」
「うん、それ」
「じゃぁ、いくよ~は、は、は!」
 やはりだ……。なのはのパンチが伸びきったときに一瞬だけで空間が波紋を起こしている。
「なのは、わかったよ。何かがここのあたり周辺を魔法防壁か……。あるいは他のもので何かを隠している」
 でも、なぜ今まで何も気づかなかったのだろうか? 確かに探知魔法で周辺は調べたはずなんだけど……。
「なるほどね、フェイトちゃんはそれに気がついたから、私にパンチするよういったんだね、なんだぁ残念」
「え……!? なんで残念なの?」
「パンチする私をもっと見たいのかと思ったよ♪」
「え、それはまぁ……。また、こ、今度ね」
 そう、いつでも見れる。
「うん」
「バルディッシュ」
 私の声にバルディッシュが反応する。
 しかし、果たしてこれでこの見えない壁が破壊できるのだろうか?検知魔法にさえあまり引っかからなかったものなのに……
「フェイトちゃん、大丈夫?かわりに私がやろうか?」
 心配したのかなのはがそんな顔をしながら私を見つめる。
 なのはに任したら他のものも壊す危険性があるので、ここは私がやる方がいい。
「大丈夫。じゃぁ……これで!!」
 バルディッシュをその場所へと魔法を与えるために構えをとる。何事もやらなければわからないし、できなかったらできなかったで、また別の方法を考えればいい。
 なのはと同じように魔力と物理ダメージを計算しながら攻撃する。なのはと違うことはものを破壊する……、この状態ならいわゆる目に見えないものだけを破壊する攻撃。まわりは壊さない。
「はぁぁぁあああ!」
 何もない空間をきりさくバルディッシュの一閃。
「お、おお!?」
 なのはの声とともにあたり一面が揺らぎを起こす。テレビのノイズ画面が鮮明な映像を映し出すそんな感想であった。
「な、なんとかなったみたいだね」
「うん」
 揺れが落ち着きを取り戻すころ、徐々に周りの風景が変化をもたらす。
「つ、うろ……?」
 現れた風景はどこか通路を考えさせる形をしていた。ただまっすぐに歩かせるために伸びている道、そして、きちんと補強されている。
「こうして、あやしいところが現れたわけだけど……いつから、私たちは建物の中に入っていたんだろう?」
 なのはが突然現れた壁を叩く。
 たたいた音がきれいに響いて反響する。
「そうみたいだね……、いつの間にか建物に入っていたようだ」
 変化はここら一体に現れたようだ。
「でも、壁があるのにどうやってはいったんだろう?」
「見えてないときいわゆる透明なときは、建物の存在自体が透明になっていて、建物自体がないのかもしれないよ」
 ガラス? 鏡……? そこにはあるけど存在しない……。まるで空想話をしているように感じる。でも、可能性の1つとしては十分に考えられる。
「まぁ、どうしてかは私たちが考えることじゃ、たぶんないよ。報告書に書いておけばきっとユーノ君あたりが解明してくれるよ。だからさっさと仕事を完了して帰ろうか。おうちでヴィヴィオが待っていることだし……それにフェイトちゃんとお風呂入らないとね♪」
 あぁもう……。そういうことだけは頭が回るんだから。
「そうだね……そうだ、なのは終わったら買い物に付き合ってほしいな」
「うん、いいよ♪ あ、そうだ、買い物に行ってお風呂にいくルート……確かあそこは……円ぐらいだから……あそこかな、あそこはいってみたかったし、うん、そうしよう。フェイトちゃんは、透明なのとよく見えるのどっちがいい?」
 なのはは笑顔で私にそう言い返した。ところどころ聞こえなかったので曖昧に答えることにした。
 きちんと答えたとして、反応はきっと変わらないはず。
「え、それってどういう意味なのかな……? うーん、よく見えるのと透明……反対だよね。どちらかというとよく見えたほうがいいかな」
「わかった、じゃぁそっちの方向で買い物ツアー考えておくね」
「う、うん、なんだかわからないけどわかったよなのは」

②へ続く。。。。。
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